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「自分の興味をカタチにする」トークイベント&1/1模型展示会レポート

中高生向け家具デザインのクラス「自分の興味をカタチにする」(主宰:伊東建築塾)の受講生による作品の展示会及びこれからの建築教育を考えるトークイベントを開催しました。

絵画や音楽のジャンルでは小学生の子どもたちへのスクールはごく日常的に行われていますが、建築のスクールはほとんど例がありませんが、欧米では小学校のカリキュラムにも「建築」が組み込まれていることも珍しくありません。そうした現状に対して、「伊東建築塾」は「子ども建築塾」を開講し、2011年より小学校高学年の子供たちに建築やまちを学ぶ機会を提供してきました。今回、GAKUと連携することにより、中高生向けのワークショップが実現し、小学生からの全ての年代における建築教育の実践が叶った形となりました。

全10回のワークショップの様子や作品をお披露目することを通して、中高生の発表の機会をつくるとともに、これからの教育や建築のあり方を考える場を目指しての展示会とトークイベントの開催です。登壇者は、「伊東建築塾」塾長の伊東豊雄氏(建築家)、今回の中高生向けのワークショップの講師を務めた藤森泰司氏(家具デザイナー)、「子ども建築塾」の講師である太田浩史氏(建築家)、またGAKUで建築のクラスを進める海法圭氏(建築家)。3時間にわたる建築教育について議論については、アーカイブ動画を掲載しておりますのでぜひご覧ください。

トークイベント「10代の想像力を育む、これからの建築教育を考える」

日時:2021年3月7日(日)14:00〜17:00
会場:渋谷PARCO9階 GAKU
登壇:伊東豊雄氏(建築家)、藤森泰司氏(家具デザイナー)、太田浩史氏(建築家)、海法圭氏(建築家)
進行:熊井晃史(GAKU事務局長)

伊東建築塾「自分の興味をカタチにする」1/1模型展示会

期間:2021年3月7日(日)〜12日(金)11:00〜17:00
会場:渋谷PARCO9階 GAKU
内容:中高生の家具デザインモックアップと活動の様子

*作品のうち1部は実際に制作され、GAKUに設置されます。

【プロフィール】

GAKU
10代の若者たちがクリエイティヴの原点に出会うことができる「学び」の集積地。渋谷パルコ9階にて2020年9月の開校以来、ファッション、アート、音楽、デザイン、建築、映像など、様々なクリエイターと連携したクラスを展開しています。クラスの空き時間には、10代専用の自習室として無料で開放。その他、podcast「ガクジン」も配信中。

 

伊東建築塾
建築家・伊東豊雄が塾長を務める、これからの建築を考えるための新しい建築教育の場として2011 年より活動を開始。恵比寿にある伊東建築塾のスタジオでは、小学校高学年の児童を対象に、一年を通して建築やまちについて学ぶ「子ども建築塾」を開講しています。中高生を対象にしたワークショップでは、発想力を伸ばすとともに、地域や環境など社会性のあるテーマに取り組んでいます。

 

Town Play Studies
Town Play Studiesは、 <遊び>を都市や空間へアクセスするための直接的な手段として捉え、まちに能動的に関わることから、これからの空間に対する感性、場に関わる積極性、公共性に対する問題意識など育むためのインタラクティブ・メディア・ラボです。

 

伊東豊雄
1941年生まれ。東京大学工学部建築学科卒業。65~69年菊竹清訓建築設計事務所勤務。71年アーバンロボット設立。79年伊東豊雄建築設計事務所に改称。主な作品に「せんだいメディアテーク」(宮城)、「TODS’表参道ビル」(東京)、「多摩美術大学図書館(八王子)」(東京)、「みんなの森 ぎふメディアコスモス」(岐阜)、「台中国家歌劇院」(台湾)など。日本建築学会賞、ヴェネチア・ビエンナーレ金獅子賞、プリツカー建築賞、UIAゴールドメダルなど受賞。2011年に私塾「伊東建築塾」を設立。これからのまちや建築を考える場として様々な活動を行っている。また、自身のミュージアムが建つ愛媛県今治市大三島においては、地域の人々とともに継続的なまちづくりの活動に取り組んでいる。

 

藤森泰司
家具デザイナー。1967年生まれ。1991年東京造形大学卒業後、家具デザイナー大橋 晃朗に師事。1992年長谷川逸子・建築計画工房に勤務。1999年「藤森泰司アトリエ」設立。家具デザインを中心に据え、建築家とのコラボレーション、プロダクト・ 空間デザインを手がける。近年は図書館などの公共施設への特注家具をはじめ、ハイブランドの製品から、オフィス、小中学校の学童家具まで幅広く活動。2020年よりセルフプロダクション「WORK FROM HOME」をスタートさせる。グッドデザイン特別賞など受賞多数。著書「家具デザイナー 藤森泰司の仕事」(彰国社 / 2019)。

 

太田浩史
建築家/ピクニシャン/博士(工学)。1968年東京都生まれ。東京大学大学院建築学専攻修士課程修了。東京大学国際都市再生センター特任研究員 、東京大学生産技術研究所講師を経て2015年より株式会社ヌーブ代表。2011年より伊東建築塾こども建築塾講師として「まち」のクラスを担当。主な作品に「京橋AGCスタジオ」「矢吹町第一区自治会館」「PopulouSCAPE」「南阿蘇鉄道高森駅グランドデザイン」。共著に『シビックプライド』(宣伝会議,2008年)、『コンパクト建築設計資料集成[都市再生]』(丸善、2014年)など。2002年より東京ピクニッククラブを共同主宰。

 

海法圭
建築家。1982年生まれ。2007年東京大学大学院工学系研究科建築学専攻修士課程修了。2010年海法圭建築設計事務所設立。人間の身の回りの環境と、人知を超えた環境や現象などとの接点をデザインすることをテーマに、壮大でヴィジョナリーな構想から住宅やプロダクトの設計まで、スケールを横断した幅広い提案を行う。2007年東京大学大学院工学系研究科建築学専攻修士課程修了。2010年海法圭建築設計事務所設立。人間の身の回りの環境と、人知を超えた環境や現象などとの接点をデザインすることをテーマに、壮大でヴィジョナリーな構想から住宅やプロダクトの設計まで、スケールを横断した幅広い提案を行う。GAKUでは、遊びを通して建築を考える「Town Play Studies」を展開。

【トークイベント「10代の想像力を育む、これからの建築教育を考える」趣旨】

建築やまちのこれからと教育のこれから。
それらはどのように混ざり合うのでしょうか。
建築教育を語るということの先には
そんな議論があるはずです。

建築やまちのあり方。子供たちの教育のあり方。
それらが同時に語られる機会はなかなかありません。
gakuで授業を進める「伊東建築塾」も「Town Play Studies」も、
建築をバックブランドに持つクリエイターによる教育プログラム。
とはいえ、両者のアプローチは多岐に渡っています。

今回のトークイベントでは、
そんな多様な視点を含む取り組みを紹介するところから、
教育にとっての建築やまちの必要性、
建築やまちにとっての教育の必要性、
そんな意義や意味を見出すところまで、
語り合いたいと考えています。

そんな話に至るための3時間のトークイベント。
会場の方からもご質問や視点をいただければと考えています。
また長尺ですので、リラックスしながら、
公開雑談のような気分で語り合えたらと思います。
みなさまのご参加をお待ちしております。

 

自分の興味をカタチにするのこれまでの授業の様子はこちら