REPORT

「グラフィックデザインのパトス」合同展示会


街を舞台にしてつくられた作品を街にアウトプットする
2023年1月からおよそ半年間にわたり開催された「グラフィックデザインのパトス」。講師陣は、前原翔一さん、脇田あすかさん、平野正子さん、岡﨑真理子さん。それぞれのクリエーション観に触れ、出題される課題に向き合いながらデザイン創作に打ち込んでいきました。

今回の全11回の授業を経て、9名の生徒の皆さんによって作り上げられた作品は全部でおよそ200点。8月21日(月)〜9月3日(日)にはそれらの作品展示会を、メイン講師である前原翔一さんのクリエイティブディレクションのもと、クラスの舞台にもなった日本橋で開催しました。

 


「グラフィックデザインのパトス」合同展示会ハンドアウト
Art direction・Design:前原翔一
Illustration:小原七海
Photo:おやまめぐみ

 


展示会を開催するからこそ得られる手応え
展示会場となったのは、日本橋の2つの地下歩道。日本橋でおよそ100年前に作られた全長40mの「昭和通り地下歩道」がメイン会場となり、半年間の成果で埋め尽くされました。三越前駅直結の「江戸桜通り地下歩道」のサイネージでは、岡﨑真理子さんによる課題「翻訳としてのデザイン」の作品を放映。歩道内の16のデジタルサイネージに、生徒の皆さんによる日本橋の街への着眼がグラフィックデザインへと「翻訳」された姿が一挙に立ち並びました。

今回の展示作品の出力サイズは、最大で一辺1mを超えるものも。自分の作品が実際に大きく出力され、空間に現れた時の迫力や喜び。半年間の成果として膨大な数の作品が一同に会することで、生徒の皆さんそれぞれのテーマや関心どころのようなものがよりクリアに浮かび上がってくるアーカイブ性。展示会だからこそ味わえるものが多くあったように思います。

 


作り手自身による展示ガイドツアー
展示期間中には、作り手である生徒の皆さん自身による展示ガイドツアーイベントも開催しました。

「課題制作を通して、新しい創作方法に挑戦していったことが新鮮で楽しかった。手の動かし方が変わることで、自分の表現もどんどん変化していったように思います」「表現することを通して自分や他の人に向き合いながら、自分が本当に好きなものや興味のあることが少しずつわかってきたような感じがする。例えばこの作品は、、、」と、自らの作品を前に、創作のプロセスやその中での想いを語る生徒の皆さん。授業内でも課題発表の機会は多くありましたが、ギャラリー空間の中で初対面の人や通りがかりの人にも向けて自分たちの作品や取り組みを説明することは、これまでの活動をふりかえる良い機会になったようです。


デザイン創作における学びや発表の機会を広げていく
GAKUでは来年度も、グラフィックデザインをテーマとしたクラスを開講予定です。また、創作の機会とともに、そこで生まれた作品を広く発表していくような場も引き続きつくっていきたいと思います。今後の展開にもぜひご期待ください。

 

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