REPORT

「遊びのアーバニズム実践学2022」第7回〜第8回 あそびのアイデアを考える

街の可能性を最大化する遊びを考える
街を舞台に、「遊び」を通してリアルな都市空間や建築デザインを学んでいく「遊びのアーバニズム実践学」。建築家の海法圭さん、津川恵理さん、建築リサーチャーの川勝真一さんからなるプロジェクトチーム「Town Play Studies」と、東京理科大学理工学部建築学科西田研究室の学生の皆さんとともに、全10回の授業を通して「遊び」からこれからの都市や街のあり方を考えていきます。

都市デザインや都市計画におけるリサーチの重要性を学び、日本橋横山町・馬喰町の街の中で実践していった前回。それらの体験を踏まえ2月18日(土)の第7回〜第8回では、今回の授業を通して生徒の皆さんへ課せられたお題である「この街の可能性を最大化する遊び」を考えるためのグループワークを進めていきました。

 

「もしも」で想像を広げて、「ストーリー」を描いて計画にする
「気づきをアイデアに転換させていくためには、『もしもこうだったら』『こうやってみたらどうなるだろう』と、ストーリーを思い描いていくことが必要。街ならではの地形と人の身体を豊かに関わらせていけるような遊びを考えて欲しい」という津川さんの言葉も念頭に置きつつ、グループでディスカッションを進めていきます。これまでの授業を通して様々な遊びに挑戦してきたメンバーだからか、どのグループも活発に意見を交わし合ってきます。

「もしも、街がランウェイだったらどうだろう。せっかく問屋街が舞台だから、問屋さんの服を使ったファッションショーをするのはどうだろう」「もしも、街なかで昼寝ができたらどうだろう。よく観察してみると、屋上に植木を置いていたり、植物を育てていたりする建物がすごく多い。建物の上に緑があるなんて不思議。昼寝にぴったりでは!」など、それぞれの着眼を持って対話を重ねていくことで、津川さんが言うように「もしも」という想像やそこから広がる「ストーリー」への見立ても広がっていくようでした。

 

リサーチとデザインのサイクルを回す
前回の授業で川勝さんが指摘をされていた「リサーチの重要性」と「デザインとリサーチの反復」。それが、今回の授業でも活かされていきます。グループワークで出されたアイデアを実際に現地で実践する。実践を通して得たインスピレーションからアイデアを発展させていく。それをまた実践する。そのプロセスの繰り返しの中で、どのグループもダイナミックにアイデアを変化させていく様子が印象的でした。

さらに、そういった試行錯誤を重ねつつ、考案した遊びを伝えていくための方法も同時に探っていきます。その遊びはどのように街の魅力を最大化しているのか。実際に街の中で実現したとしたら、街の景色や人の行動はどのように変化するだろうか。そもそもの都市デザインや都市計画における遊びの意味を改めて捉え直しながら、図や写真や文章を使って大きな模造紙の上に表現していきました。

 

次回はアイデアの発表会
次回はいよいよ授業最終回。日本橋横山町・馬喰町を舞台に生徒の皆さんが考案した「この街の可能性を最大化する遊び」のアイデアのプレゼンテーションを行います。

 

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