「ものづくりと場づくり」第2回 コンセプトワーク
プロダクトデザインに向かうためのスタートラインを確認する
「ものづくりと場づくり」は、「理想の学びの場のためのプロダクト」をテーマに掲げるプロダクトデザインのクラス。講師にプロダクトデザイナーの岩元航大さんを迎え、GAKUを具体的なフィールドとして、より良い「学び心地」を生み出すためのプロダクトを構想し、実際に形にしていきます。
12月24日(日)の第2回では、生徒の皆さん一人ひとりがプロダクトのアイデアを探っていくため、「学び心地」というキーワードに迫っていきました。
生み出したいと強く思えるものを探す
今回の生徒のみなさんのアイデアは、最終的には実際にプロダクトとして制作されGAKUで活用していくことを目指しています。そこで、GAKUの普段の様子や想いを事務局長の熊井から生徒の皆さんにお話をしていきました。
「『学び』と言うと、固定的なイメージが頭に浮かびやすいけど、じっくり考えていくと、本当はもっと様々な学びのスタイルがあると考えています。『動詞』で考えてみても、『話を聞く』、『ノートに書く』だけでなくて、手を動かして『何かをつくる』、他者とじっくり『話し合う』、時には『寝っ転がる』『ぼ〜っとする』など、いろいろなものがあります」と、「学び心地」というキーワードを豊かに捉えていくために、その幅広いあり方を確認していきます。
また、GAKUの教室を隅々までリサーチをして、それぞれが感じたことを少しずつ言葉にしていきます。「古い家具があると落ち着く」「学校と家の間のような雰囲気」「入り口に小上がりがあって、舞台に上がったなという感覚になった。緊張感も感じた」「GAKUの空間に合ってない家具があって気になった」など、様々な感想が語られます。「みなさん自身が感じて目指したいと思えるもの、他の生徒にとって良いもの、GAKUを運営している私たちの想い。きっと、その3つの領域が重なるところが必ずあるはず。同時に、皆さん自身の感じたことや想いを大切にして、進めてもらいたいと考えています」と、このクラスの出発地点が確認されました。
コンセプトをどのように表すか
これから進めていくプロダクトデザインのためのコンセプトワーク。続く岩元さんによる講義では、岩本さんご自身の実際のお仕事で使われていた資料を惜しげもなく公開することで、その実際的なプロセスを解説(その資料の写真はインターネット上で公開できないものなので、今回のレポートの写真には含まれていません)。さらに今回の授業のなかでは、「ムードボード」と「エスキス」と大切さが語られます。
「ムードボード」とは、自分自身がつくっていきたいものや生み出したい状況や風景に近い写真等をコラージュのようにならべてその雰囲気を表すもの。岩本さんの実例を見ることで、その必要性や重要性を体験していきます。「エスキス」は、文字通りプロダクトデザインの姿や形を構想していくためのスケッチですが、岩本さんの膨大な量のラフスケッチを見ることで、同じように、その試行錯誤の必要性や重要性をありありと感じていきます。また、今回は、その「ラフスケッチ」の書き方のレクチャーも頂きました。一見、簡単そうに思える直線を描くということの大切さ。それらを組み合わせて立方体をスムーズに描く方法。紙とペンが配られて、ラフスケッチに向かっていくための基本的な技術の練習もしていきました。
「ムードボード」と「エスキス」の制作に挑戦
それぞれの生み出したいものの手がかりを探りつつ、それをプロダクトデザインという営みのプロセスの起点に置くための方法を学んでいった今回の授業。生徒の皆さんは次回までの課題として実際に「ムードボード」と「エスキス」の制作に挑戦します。どんな「理想の学びの場」を実現していきたいのか、そのためにはどんなプロダクトが必要か、皆さんそれぞれの着眼による発表が今から楽しみです。