REPORT

「ものづくりと場づくり」第1回 ガイダンス


プロダクトデザインで、理想の学び場を実現する
「ものづくりと場づくり」は、GAKUによるプロダクトデザインのクラス。「理想の学びの場のためのプロダクト」をテーマに、生徒の皆さんがプロダクトデザイナーとして、GAKUの教室で使われる「もの」のあるべき姿や形を考え、実際につくってみることに挑戦します。講師には昨年度クラスに続いて、プロダクトデザイナーの岩元航大さんをお迎えします。

12月10日(日)の初回授業では、岩元さんのお仕事をケーススタディにプロダクトデザインのプロセスを確認し、重なるテーマに取り組む建築のクラス「『私をつくる教室』をつくる」の中間発表を聴講。これから生徒の皆さんが挑戦していくことの全貌を捉えると同時に、「学び」というテーマの奥深さや幅広さを体感していきました。

 



プロダクトデザインのリアリティを知る
プロダクトデザインとは、そもそもどのようなことをするものなのか。岩元さんは、ご自身が手がけたスツール「Aluminum Stool」を実例に、ヒアリングやリサーチから、エスキス、設計、試作、製品化までの具体的な工程を紹介していきます。このスツールの特徴になるのが、「金属用のパイプベンダーでアルミニウムパイプを曲げると、力の加わる内側の面が潰れてしまうことがあるけど、それは失敗のようにも聞こえるけど、逆にそれに新しい機能を持たせている」というもの。その気づきが、折り畳むことができるこのプロダクトデザインの原点になったそうです。

プロダクトの制作にあたっては、「その目的を明確にし、それを達成するために工程をしっかりと経ていくことが重要」という岩元さん。制作をふりかえってわかりやすい表にすることはできるものの、実際のところは試行錯誤の繰り返しで、様々な工程を往復する必要が出てきて、「こんなわかりやすい表にはならず、ぐちゃぐちゃになるし、それが大切」というそのリアリティも伝えてくださいます。

 


「学び心地」を考える
このクラスのテーマは、「理想の学びの場のためのプロダクト」。居心地の良い悪いがあるように、岩元さんは「学び心地」というものにも注目されています。そこで、「学び心地」について考えていく時間に。

GAKUの教室が実際にどのように使われているのか。そこでの学び心地がどのようなものか。GAKU事務局長を務める熊井からの紹介も。絨毯を敷いて座ったり、椅子を車座に並べたり、机の周りを囲んだり。その座り方一つでも、「学び心地」が変化していくことを体感していきます。そして、生徒の皆さんそれぞれが大切にしたい「学び心地」がどのようなものなのかを考えるきっかけにしていきます。

 




建築のクラスに参加する
授業終了後には、建築家の伊東豊雄さんが主宰する建築のクラス「『私をつくる教室』をつくる」の中間発表に、岩元さんと生徒の皆さんも参加します。誰もが思い浮かべる学校の教室ではなく、自分の興味を育み、誰かに伝え合っていく場所を「教室」と捉えるこのクラス。海に浮かんで魚を観察できる教室、森の中でアートと向き合う教室、丘の中をくり抜いたような教室など、自由な学び場の数々が発表されていきます。

プロダクトデザインのクラスの生徒の皆さんもアイデアに興味津々の様子。模型をじっくり観察しながら会話したり、建築のクラスの生徒の皆さんにも直接質問したり、生徒同士のコミュニケーションのなかでお互いのアイデアが豊かに育まれていきます。

 


次回はGAKUの「学び心地」をリサーチする
プロダクトデザインのプロセスとそのリアリティ、そして様々な学び場のあり方に触れていった今回。次回は、GAKUの「学び心地」を実際にリサーチし、生徒の皆さん一人ひとりがプロダクトのアイデアを探っていきます。

 

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