「ものがたりとものづくり」 第10回 模型制作④
発表会前最後の制作
「ものがたりとものづくり」はプロダクトデザイナーの岩元航大さんが講師を務める全11回のクラス。カリモク家具の木材に触れながら、生徒の皆さんも1人のプロダクトデザイナーとして制作や発表をしていきます。
4月16日(日)の今回は、発表会前最後の制作。工夫をすればするほど、新たに工夫をしたいところもみつかっていきます。最後まで粘り強く試行錯誤を続けていきます。
終わらない試行錯誤に区切りを与えていく
例えば、「吊り革の手持ち部分」。持ちやすい形はどのようなものだろう。通常の車内で見られる丸以外にも、六角形、丸、楕円といろいろな形を検証しつつ、子どもも大人も、あらゆる人にとって持ちやすくするためにはどうしたらいいだろう。例えば、「コインが螺旋階段の上をコロコロと転がりながら落ちていく貯金箱」。誰がやっても、きちんとコインが落ちていくための造形とはどのようなもんだろう。例えば「笛」。どのような形をしていると吹きやすいだろうか。笛以外でいうと、リコーダーなどの音が鳴るものとどのような違いがあるのだろうか。と、実寸の模型製作のつくりながらも、最適なプロダクトのあり方を探る姿勢に終わりはありません。
とはいえ、それぞれに精度を高めていくための糸口や切り口を見つけていきながら、徐々に実寸の模型がひとまずの完成に近づいていきます。
試行錯誤のプロセスをふりかえりながら、言葉にしていく
最終発表会に向けて、「最後まで試行錯誤を続けていきながら、発表に向けてアイデアの伝え方も考えていこう。制作過程を自分で改めて振り返って、最終的な形がどのように生まれたのかを伝えていくことは、プロダクトそのものの強度や説得力を高めることにも繋がる。これまでの制作の成果を、しっかり伝えていこう」と岩元さん。
試行錯誤の連続ではありましたが、改めて自分自身のこだわりや工夫のポイントをふりかえることで、制作を進めたプロダクトの意味や意義もとらえていくことも同時に求められていきます。
次回はアイデアの最終発表会
次回は、それぞれが検討を進めてきたプロダクトデザインのアイデアの最終発表会。講師の岩元さんに加え、カリモク家具から副社長の加藤さんと森川さんも講評者にお迎えし、これまでの半年間の成果を発表していきます。