REPORT

「ものがたりとものづくり」 第7回 模型制作①


本格的な制作現場で、実制作をスタート
「ものがたりとものづくり」はプロダクトデザイナーの岩元航大さんが講師を務める全11回のクラス。カリモク家具の木材に触れながら、生徒の皆さんも1人のプロダクトデザイナーとして制作や発表をしていきます。

3月5日(日)の第7回からは、岩元さんが主宰する「スタジオ発光体」での実作がスタート。木工旋盤、バンドソー、マルノコ盤、ベルトサンダーなど。本格的な機材が揃うスペースで、これまで練り上げてきたアイデアをプロトタイプとして形にしていく作業が始まりました。

 


目のつけどころ、手のつけどころ
「スタジオ発光体」を訪れると、いよいよ始まる実制作に、生徒の皆さんも期待感が高まっているようです。同時に、何をどこからどのように手をつけていけばいいのか。何に気をつけなければいけないのか。工夫のしどころはどこなのか。これから制作を進めていくにあたって、実際の機材を目の当たりにしていくと、より具体的な問いが浮かんできます。

緊張感とともに、ある程度の安心を感じつつ、これからの制作のイメージを掴んでいくために。岩元さんは、現在製作中のプロダクトを例に実際の製作プロセスを紹介しながら、最初の作業の滑り出しとして大切にすべきことを紹介してくれます。大きさ、長さ、角度、厚み。これまでエスキスでスケッチしてきたものを実際の具体的な「プロダクト」にしていくためには、それらを様々な角度から検証していく必要があります。岩元さんはそのために「『型』が命」と言います。木材やスタイロホームを使って、細かく吟味していきながら、模型を作成していくことが求められます。

 


機材の特徴を使い分ける
スタイロホームは、建物の断熱材としても使われてもいますが、加工しやすいことから、建築やプロダクトの模型を作る際に広く用いられている素材です。大まかに切り出したり削り上げたり、細かく形を調整したり。複数の機材の特徴を使い分けながら、実際の加工作業を進めていき、加工作業に慣れていきます。実際に手を動かしていくと、プロトタイプとして作品を完成させるまでに膨大な検証や作業が必要であることが実感されていきます。それらの工程の全体像を展望したり、それらの具体的な段取りを掴んでいく必要性も迫ってきます。そこで岩元さんは、アイデアも異なる一人ひとりと話し合う時間を設けて、これからのプロセスのあり方を一緒に考えていきました。

 


作りながら吟味をし続けていくこと
今回のクラスの制作の拠点となる「スタジオ発光体」での初回授業となった今回。生徒一人ひとりのアイデアはそれぞれに様々。そのため、個々の制作工程も少しずつ異なってきます。次回の授業からは、より個人単位で本格的な実作工程に入っていきます。次回の持ち物は、コンパス、定規、メジャー。自分の想う理想的な造形を目指していくためにも、様々な機材や馴染みのある道具も改めて味方につけながら、加工作業と検証を進めていきます。

 

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