REPORT

「新しい演劇のつくり方(第2期)」第6回 戯曲づくり(執筆)


まずは「書きたい」という気持ちを持ち寄る
「新しい演劇のつくり方」は昨年度に続いて開講となる演劇のクラス。今年度は演劇カンパニー「チェルフィッチュ」を主宰し、このクラスの総合ディレクターを務める岡田利規さんによる『三月の5日間』を原作とし、中高生である生徒の皆さんが新たな演劇作品を戯曲からつくっていきます。

3月5日(日)、第6回授業の今回は、それぞれがこれから書きたい戯曲の一編を持ち寄り、執筆を進めていくための弾みをつけていきます。




書きたくなるという気持ちの源泉を確認する
班の中でそれぞれが準備をしてきた戯曲の一編を読み合わせたり、感想を共有しつつ、そこにある「それを書きたい」という気持ちのありかも確認していきます。

「人間とAIにどんな違いがあるんだろう?人間が抱える『闇』ってAIも抱えてる?」「街に馴染んでいない人が街を彷徨う様子を表現したい」「人でなないけど、街の意識というものに迫ってみたい」と、戯曲を書き進めていくための軸を掴んでいくために、それぞれの着想を少しずつクリアにしていきます。個々の観点が明るみに出れば出るほど、生徒同士の会話が盛り上がっていくことがとても印象的です。


書くために演じてみる
次第に、書くためのエンジンがよりかかっていく様子のGAKUの教室。笠木さんは、その熱量を戯曲づくりへとつなげていくべく、「声に出して読んでみて違和感を感じたりすることも、身体的感覚として大切な気がします」とアドバイスを贈ります。

「皆はこの戯曲を上演します。より自分たちの身体が持つ『俳優的感覚』で言葉を紡いでいけば、大丈夫。例えば書いているものを『どのように上演するのだろう』と考える。我々は自由に演劇を作るチームですから、視点を劇作家から、演出家、俳優と自由自在に変えることができるのです」と、机に向かって執筆をするだけでなく、具体的にどのような態度や姿勢で臨んでいけば良いのかをイメージしやすくしていくことで、生徒の皆さんも執筆作業がよりスムーズになっていくようでした。


次回は、岡田さんを迎えて執筆を進める
「最終的に1つの戯曲にまとめるにあたって『現在の渋谷』というキーワードを軸にしていきたいと考えています。つまりは今のわたしたちの姿です」と笠木さん。これから戯曲を仕上げていく方向性も提案された今回。「もちろんそこには『過去』『未来』につながっていますし、『三月の5日間』につながるわたしたちだけの物語になる」という笠木さんの確信は、生徒の皆さんも想いが重なるところがあったようで、不思議な高揚感を味わう時間となりました。

「新しい演劇のつくり方(第2期)」クラスページはこちら