REPORT

「世界のどこでも自分の家になるモバイルハウス『動く家』」第9回 模型制作

 一人ひとりとじっくり向き合う時間
世界的建築家・伊東豊雄さんが主宰する「伊東建築塾」による「世界のどこでも自分の家になるモバイルハウス『動く家』」。講師を務めるのは、o+hの百田有希さんと大西麻貴さん、PERSIMMON HILLS architectsの廣岡周平さんです。

まだ見ぬ発想を広げていくこと。発想を実際の形にしていくこと。それを同時に進めていくことはとても難しいことです。最終発表に向け、個々の模型制作が本格的にスタートした前回。想像したり創ることの楽しさや難しさに、生徒それぞれがより一層直面していくこととなります。2月6日(日)に開講された第9回授業では、そのような局面だからこそ、講師の方々と生徒一人ひとりが話し合う機会が設けられ、少人数制の授業ならではの対話が深まっていきました。

 


対話を重ねながら手を動かしていく
講師の方々が順番に回っていきながら、「やりたかったことはできている?」「実際に形にすることも大切だけども、新しい想像をすることは諦めないでほしい。そのためになにか力になれることはないかな」と、生徒一人ひとりに声をかけながら、個々の想いや進捗と合わせて話し合いを重ねます。

「本当は柱を一本だけにしたいけど、そうすると完成した家は安全なものにならないのかも」「机にも椅子にもなる窓をつくりたいんだけど、幅や高さをちゃんと考えると使う人にとって心地いいものにならないかも」「みんなで寝ることができる花びらのような雰囲気のものにしたいけど、イメージ通りの素材がみつからない」といった生徒の声に耳を傾けながら、丁寧にアドバイスをしていきます。理想的な空間を実現するための構造を確認するために生徒の目の前で考えをスケッチに起こしていったり、模型をつくりながら実際の大きさにしたときにどのようなものになるのかを想像しやすくするために一緒に実寸サイズをシミュレーションしたり。生徒のみなさんにとって、自分の作品をケーススタディに建築家の実際の仕事の様子を垣間見る貴重な時間となりました。

 


個々の感覚が創作の手がかりになる
「模型をつくっていると、いろんな悩みもどんどん生まれていくと思います。そんなときは、これまで自分が感じていて今回再現したいと思っているような感覚や心地よさが手がかりになっていくので、それをぜひ大切にしてください」と、講師の方々からエールの言葉もおくられました。

 


アイデアの伝え方も、自分なりに模索していく
次回は発表前最後の授業。最終発表に向け、個々の模型制作を仕上げていきながら、それぞれの作品に対する想いや工夫を伝えていくための準備も進めていきます。

 

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