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「世界のどこでも自分の家になるモバイルハウス『動く家』」第8回 模型制作


想像することと、実際に創ることを行き来する
世界的建築家・伊東豊雄さんが主宰する「伊東建築塾」による「世界のどこでも自分の家になるモバイルハウス『動く家』」。講師を務めるのは、o+hの百田有希さんと大西麻貴さん、PERSIMMON HILLS architectsの廣岡周平さんです。1月23日(日)は第8回授業を開講しました。

新しい発想を広げていくための考え方を学びながら、そもそも家とは何かを探求していくこと。廣岡さんが手がけられた家や家具会社の現場にも触れながら、自分なりの着想を形にしていくことのリアリティを学んでいくこと。これまでの授業では、想像することと創ることを両面で体感してきました。今回からは、それらの体験をもとに生徒それぞれの構想を深めながら練り直していくための作業に入り、模型の制作を進めていきます。

 


足りていなかったものや余計だったものがわかってくる
授業の前半では、生徒同士でディスカッションをしながら、これまで考えてきたモバイルハウスのアイデアを振り返っていきました。「ここにはどんな素材を使うの?暮らす人にとっては柔らかい素材の方が安心できるかもね」「このスペースは人が通れるようにした方が使いやすいんじゃない?」「そもそも、この形はどうやってつくれるんだろう?」と、投げかけ合う問いもどんどんと実際的なものになったり、創り手や使い手両面の多角的なものになっていきます。

後半では、ディスカッションも踏まえながら、個々が模型をブラッシュアップしていきます。複数の模型を作って比較してみる。スケッチを描きながらあるべき構造を考えてみる。モバイルハウスで実現したい暮らしを改めて言葉で書き出してみる。生徒それぞれが向き合いたい課題も見えてきている様子で、手を動かしながら考えを深めていきます。

 


多様な視点を持ちながらも、自分ならどうしたいかを考える
多角的に考えることができるようになってきたらこそ、制作上の悩みが増えてくるのも嬉しい悲鳴かもしれません。廣岡さんからは、「住む人が家でいろんな過ごし方ができることも大切だけど、その全てを実現するのは難しい。まずは『自分ならどう過ごしたいか』を具体的にイメージして、それを家に当てはめて考えてみよう。そうすると足りないものが見えてきたり、実は不要だった部分にも気づくかもしれない。そんなふうに要素を足したり引いたりしながら、アイデアをブラッシュアップしてみましょう」と、今の生徒のみなさんの気持ちを後押しするようなメッセージも贈られました。

 


まだ見ぬ家をつくりたいし、実現もしたい
同じ話や物を見聞きしてきた生徒同士のディスカッションも踏まえていきながら、2月27日(日)の最終発表に向け、個々人の模型制作は引き続き進んでいきます。

 

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