「グラフィックデザインのパトス」第9回 贈り物としてのデザイン(前半)
誰かへの贈り物としてデザイン創作を捉えてみる
様々なグラフィックデザイナーとともに、手を動かしながら全11回の授業を通して視覚表現を学んでいく「グラフィックデザインのパトス」。
5月6日(土)の第9回では、メイン講師・前原翔一さんによる「贈り物としてのデザイン」の前半授業を開催。半年間にわたる授業の最後のテーマとなる今回は、これまでの創作を振り返りながら、誰かへの贈り物としてのデザインのあり方や役割について考えていきました。
これまでの学びを振り返る
前原さんによる「挨拶としてのデザイン」からスタートし、脇田あすかさんによる「編集としてのデザイン」、平野正子さんによる「拡張としてのデザイン」、岡﨑真理子さんによる「翻訳としてのデザイン」。講師の方々それぞれのデザイナー観に触れ、各回のテーマのもとに提示される課題に取り組んでいったこれまでの授業。「贈り物としてのデザイン」という新たなテーマに臨んでいくために今回の授業では、これまでの学びを振り返っていく時間を改めて設けて、生徒それぞれが個々の想いを言葉にしていきました。
「手を動かし続けることによって、自分自身の世界の見方の特徴が少しずつ見えてきた。それが当たり前になっていたけど、制作したものを通して自分自身のことを見つめることができた気がする」「同じテーマで創作をしていても出来上がったものやそのプロセスがみんなバラバラだったことが印象的だった。いろんな捉え方や考え方があっていいんだと思えたし、作り手自身の人となりがデザインにも表れていくということがわかった」など。個々のパーソナリティをどのように掴んで深めていくのか?他者や周りの社会や世界をどう受け止めて認識しているのか?共通してくるのは、それらを同時に考えていくということでした。
クラスメイト一人ひとりへ向けた「贈り物としてのデザイン」
前原さんから提示されたこのクラスの最後の課題制作は、およそ半年間一緒に創作に取り組んだクラスメイト9名へ向けたポスターをつくること。
「どうやってその人と関わるか。その『どう』の部分の解像度が上がっていくと、自分らしい表現になっていくはず」「無理に辻褄を合わせなくて大丈夫。デザインって、恥ずかしいくらいがちょうどいいと僕は思います。自分が『これだ!』と強く感じた気持ちをまずは大事にしてみよう」と、前原さんからは、半年間の集大成になっていく今回の課題制作に向けたエールの言葉が贈られました。
次回は、「贈り物としてのデザイン」の発表会
次回の授業は、「贈り物としてのデザイン」の課題発表。生徒それぞれが「贈る側」も「贈られる側」も体験することを通して、「贈り物としてのデザイン」を体感していく機会となります。