REPORT

「CO-CURATING」第2回 ケーススタディ

実際の企画展に訪れて、キュレーションの可能性を体感する
「CO-CURATING」はキュレーターの髙木遊さんと岩田智哉さんによる、キュレーションをテーマとしたクラス。アーティストの方々とも交流を重ねながら、全11回の授業を通して生徒全員で企画展を作り上げていきます。

講師のお二人の活動を通して「キュレーター」という仕事のあり方を紐解いていった前回の初回授業。キュレーションの可能性をより体感していくために5月7日の第2回では、国際的なコンテンポラリーアートを多く展示する私設美術館「ワタリウム美術館」に実際に訪れての出張授業を実施。美術館のキュレーターを務める和多利恵津子さん、和多利浩一さんに直接お話を伺いながら鑑賞をする機会となりました。さらに、鑑賞を経た心象や発見を生徒や講師のお二人を交えて共有したり深めたりする時間を設けて、キュレーター像を掴んでいきました。

 

現代アートを中心に様々なジャンルの展覧会を開催する「ワタリウム美術館」
「ワタリウム美術館」で開催されていたのは、「プレイプレイアート展」。「アートの遊び場」というコンセプトのもと、20名の国内外のアーティストによる、約150点の作品が展示されています。アンディ・ウォーホルの代表的なモチーフの一つとして知られる「フラワーズ」やメディアアートの第一人者であるナムジュン・パイクによるロボット「K-567」など、キュレーターの和多利さんたちから直々に、作品の解説をして頂きながら館内を巡っていきます。

 

個々の学びや着眼を、みんなで分かち合うことの楽しさ
授業の後半では、GAKUに移動し、それぞれの鑑賞体験を共有していきます。それぞれの展示作品へのコメントはもちろんのこと、「館内のエレベーターで移動する時間が、考察する機会になった」「ブラウン管などが使われていたけど、メディア環境とアートの関係性が気になった」「ワタリさんの解説からワタリさんがアーティストの作品をとことん楽しんだり情熱を傾けているのかがわかって、キュレーターのあり方を感じられた」「展示されていた作品の深掘りがミュージアムショップで叶って、建物全体でいろんな役割を果たしていた」など、キュレーティング目線での感想が多くみられたのが印象的でした。

 

次回は、企画展を作り上げていくためのリサーチの方法論を学ぶ
実際に企画展に足を運び、キュレーターの方々にお話を伺うことで、キュレーションの可能性をより体感していく機会となった今回。それらの体験を踏まえながら、次回以降の授業では実際に企画展を作り上げていくための具体的なアクションとして、企画制作を進めていくためのリサーチの方法論を学んでいきます。

(写真:熊井晃史 執筆:熊井晃史、佐藤海)

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