「東京芸術中学(第2期)」 第31回 「My TOP 5」発表会
何に心を動かされるか、それに自覚的になるというクリエーションの方法
編集者・菅付雅信さんと13人の世界的クリエイターによる『東京芸術中学』。12月17日は2022年最後の授業。生徒の皆さんが最も心を動かされた作品や体験の5つを発表。この一年でそれぞれがどのようなインプットをしてきたのかを振り返っていきます。
建築、映画、コスメなど、幅広い興味関心を持ち寄る
インプットの大切さ。そこでは、「芸中は週に1回だけの限られた時間。でも、普段の生活ならインプットし放題。クリエイターとして自分は何を取り入れるのか、まずはそれに自覚的になってほしいんです」と菅付さんがこれまでの授業でも繰り返しお話をされるように、知識や情報をそのままに吸収するだけでなく、「そこにどのような決まりやルールがあるのかを深掘りしていく」という読み解いたり考えたりする態度が求められます。
授業で生徒の皆さんが発表した「My TOP 5」は、「生まれて初めてのライブだった」indigo la Endの武道館公演、「今年の自分を大きく変えた」涙袋ライナーやコンシーラー、「ティムバートン過ぎないところがいい」ティムバートン監督の最新作『WEDNSEDAY』、「ニュースで見かけて目が釘付けになった」サウジアラビアの砂漠に建設中の一直線上の都市など。
「どうやって知ったの?」「どんなところに惹かれたんだろう?」「トップ5の中にルールは見つかりそう?」菅付さんとの対話を通して、自分の心象を深掘りしながら、そこに共通する魅力も同時に探っていきます。また、他の生徒の発表を受けながら、興味関心が広がっていく様子も印象的でした。
深堀りすることと広げること
「自分のインプットを深掘りすることと広げること。クリエイターにとってはどちらも同じくらい欠かせないこと。そのバランス感覚が自分のクリエーションを社会に届けるためには必要です」。アーティストから記号学者まで、様々なジャンルのクリエイターによる芸中を通して学びを広げている生徒の皆さん。日々そのインプットのあり方を磨いていくことによってアウトプットにも変化が生まれていきそうです。
放課後の時間も盛り上がる
今回の授業のようにそれぞれの感性を共有する機会も多い芸中。自然と生徒同士の会話も活発になっていきます。授業後の「放課後の時間」も同時に豊かになっていきます。それもとても大切な時間のように感じました。