REPORT

「東京芸術中学(第2期)」 第25回 イメージの編集③


自分自身のアーカイブを意識する
​​編集者・菅付雅信さんと13人の世界的クリエイターによる『東京芸術中学』。11月5日は菅付さんによる講義「イメージの編集」の3回目の授業です。

「『わからない』イメージを通して人々を触発することが肝心。簡単には消費されないイメージにこそ価値があるんです」という言葉を皮切りにスタートした「イメージの編集」シリーズ。イメージをつくる上でのアーカイブの大切さを捉えていった前回の授業を踏まえて、今回は生徒のみなさんが自分自身のアーカイブに向き合っていきました。




アーカイブを共有すること
授業では、生徒の皆さんがペアになってお互いの「好きなイメージ」を紹介。「麦田屋(むぎだや)さんの描く、まるで生きているみたいなイラストが好きなんです」「「アニメーションも音楽も映像そのものも、様々な要素が混じったmillennium paradeのミュージックビデオが好き」「自分で撮った、今通っているボクシングジムの写真が好き。喋らなくてもいい場所だから安心している感じが伝わってくる気がして」など、魅力的に感じるその理由を言葉にして説明していきます。

続いてそれぞれが「つくりたいイメージ」も紹介。「例えば『アウトレイジ』とか、大人の余裕のある表現に憧れてて、北野武さんみたいな映画が撮りたいんだよね」「小林私『冬、頬の綻び、浮遊する祈り』のMVみたいな表現がしたいな」

「好きなイメージ」「つくりたいイメージ」を並べていくことで、好きな要素を抽出したり、イメージ同士の連なりを見出したり、他の人との差異を意識したり、自分自身の「座標」や「ものさし」を明確にしてくような時間でした。


自分のアーカイブを育むこと
「自分のイメージを作り上げるのは自分だけでできることじゃない。そのためには他の誰かに伝えなくちゃいけない。だからこそ、自分の頭の中にあるイメージを出していく力を身につけてほしい」と菅付さん。クリエーションに向かっていく10代に今回の授業と同じように言葉が贈られました。


アーカイヴをつくることの大切さ
次回の芸中は、GAKUを飛び出しての課外授業。菅付さんガイドのもと、アーティストの大竹伸朗さんの回顧展『大竹伸朗展』を見にいきます。1980年代初めにデビューして以来、絵画、版画、素描、彫刻、映像、絵本、音、エッセイ、インスタレーション、建築など、様々な手法で表現を続けている大竹さんの作品を目の前に、生徒の皆さんはどのように感じるのか、とても楽しみです。

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