REPORT

「東京芸術中学(第2期)」 第1回 イントロダクション


新年度がスタート
編集者・菅付雅信さんと13人の世界的クリエイターによる『東京芸術中学』。4月2日(土)は2022年度初めての授業として、芸中ディレクターの菅付さんによるイントロダクション。これから様々なクリエイターと対話を重ねながら、自身もクリエーションを重ねていくために必要な知識や心構えが紹介されました。




新しい美しさをつくるために
授業はまず菅付さんの自己紹介から。ファッションや写真を専門にする雑誌やアートブックの編集、ミュージシャンのプロデュースからまちづくりまで。これまでの様々なジャンルにまたがる仕事を紹介しながら「自分の才能をよりよく発揮するには、誰かの才能と掛け合わせること」と言います。そして「それはクリエイティブな仕事をする上では欠かせないこと」とも。また「92%は自らをクリエイティヴじゃないと思っている」という日本の10代のデータにふれながら、芸中の開講を継続している原動力となる課題意識についてもお話されました。

授業の後半は、古今東西の様々なクリエーションを概観していきます。共通項として見えてくるのは「過去の規則が解体され、新しい規則が立ち上がっている」というもの。それにこそクリエーションの「美しさ」があると言います。現代音楽、ヒップホップ、抽象画、印象派など、一見ばらばらに見える数々の作品も、そのような視点を提示されると新しい道具を手にしたような感覚になってきます。そして、新しい「美しさ」を生み出していくためには、「過去の規則そのものを正確に捉えておく学びとしてのインプットが欠かせない」というメッセージが身に迫ります。


自分を大切にすることから始めてみる
初回授業から圧倒的な知識や情報を目の当たりにしながらも、菅付さんの「まずは今の自分を大切に愛することから始めてください。そうすれば、より自分を賢くしたいと思う。そうすれば自然とインプットもアウトプットも能動的に行っていけるようになるはずです」と根本的なところを問うメッセージがとても印象的でした。




これから1年間、芸中に期待すること
ある生徒の方からは、「アーティストとして生きていくことなんてフィクションの世界だと思ってた。でも最近現実だと気づくことができて、実際にアーティストの方々はどんなことを考えているのか気になってきました」という声もあがった今回。生徒の皆さんは、これから様々なアーティストとの出会いを重ねていきますが、その出会いをより良いものにしていくためには知識や経験ももちろん重要。次回の授業では、菅付さんによる、石器時代から現代まで、3万年にもおよぶクリエーションの歴史を計4時間で学ぶ「高速クリエーション史」の前半が開講されます。

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