REPORT

「EDIT CITY 都市の探検と編集」第8回 取材・撮影


街と関わりながらクリエーションする
「EDIT CITY 都市の探検と編集」は編集のクラス。講師を務めるのは、編集者の山若マサヤさんです。紙媒体を作り上げることの可能性や、街を面白がる様々な視点を学んでいきながら、全10回の授業を通して生徒一人一人が都市を舞台にした本づくりに挑戦していきます。

11月12日(土)は、第8回「取材・撮影」を開催。検討を重ねた絵コンテをもとに有楽町に改めて繰り出して、本に掲載するための写真撮影やインタビューに臨みました。今回は、山若さんとともに写真家の七咲友梨さんにもご参加いただき、取材や撮影のアドバイスを頂きました。

 


撮影や取材を重ねていく
交通会館の設立当初から店を構える旅行カバン店や街で働く人たちの憩いの場として愛されている喫茶店など、街に根ざすお店の方へのインタビュー。ビルの内装や街中にある看板・標識など、一つの要素に絞って街の様子を記録していく撮影。銀座や丸の内など有楽町と隣り合った街の風景を比較しながら、街並みの特徴を探っていくリサーチ。撮影の際には、七咲さんからシーンに応じた撮影方法等のアドバイスもいただきながら、それぞれのテーマにあわせて取材を進めていきます。

また、実制作を進めていくなかで街の方々は、「え、なんでうちを取材したいの!?でも嬉しい」「楽しそうだね。本が完成したらぜひ見せてね」と、とてもあたたかく生徒の皆さんの取材や撮影を受け入れてくださいました。そういったコミュニケーションを重ねながら、生徒のみなさんも創作意欲がより湧き、新たなアイデアも生まれていき、絵コンテをブラッシュアップをするきっかけにもつながっていきました。


自分の頭のなかだけで完結させないこと
有楽町を舞台にしたフィールドワークは、前々回のテーマの探求と今回の実制作を通して2回目(生徒のなかには、なんども取材先を訪れている方も多くいます)。同じ街を舞台にしたフィールドワークでも、そこに向かう姿勢が変われば、発見もまた異なったものとなっていきます。「取材先の人のお話が面白すぎて、今の絵コンテだと文章が収まりきらない」「実際に撮影をたくさんしてみたら、いろんなキーワードが浮かんできた。どのように整理していけばいいのだろう」と、検討してきた絵コンテを改めて手直しする必要を感じて戸惑う生徒も。そんな生徒の皆さんの声に対して山若さんからは、「制作を進めていく中で、絵コンテを更新していくのはとてもいいことです。それは、みんながちゃんと現場でインスピレーションを受けてコミュニケーションしながら取材や撮影を進められている証拠。その成果をよりよく伝えていく方法を一緒に考えていきましょう」と、エールの言葉が贈られました。

自分自身が大切にしているものを芯に置き、場所や人と関わり合いながら柔軟に本づくりに向かい合っていくこと。実制作を通して、生徒の皆さんそれぞれがクリエーションのリアリティに触れていく機会となっているように思います。

 


次回はフィールドワークを踏まえ、絵コンテを仕上げていく
次回は、実制作のためのフィールドワークを踏まえ、絵コンテを写真や文章の内容を入れ込んだ詳細なものに仕上げていきます。講師は、「anan」「クロワッサン」など様々な雑誌のアートディレクションを手がけるデザイナーの荒金大典さん。実際に生徒の皆さんの絵コンテをもとに本のデザインを手がけてくださる荒金さんにそれぞれのテーマを伝えていきながら、本全体の構成についても検討を進めていきます。

(Photo by 七咲友梨)

 

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