REPORT

「EDIT CITY 都市の探検と編集」第5回 個々の都市体験を発表する


渋谷でのフィールドワークを有楽町で活かす
「EDIT CITY 都市の探検と編集」は編集のクラス。講師を務めるのは、編集者の山若マサヤさんです。紙媒体を作り上げることの可能性や、街を面白がる様々な視点を学んでいきながら、全10回の授業を通して生徒一人一人が都市を舞台にした本づくりに挑戦していきます。

10月5日(水)は、第5回授業「個々の都市体験を発表する」を開催しました。会場は、本づくりの舞台となる有楽町に位置するコミュニティスペース「SAAI Wonder Working Community」。前回の渋谷でのフィールドワークを振り返りながら、街への新たな視点を確認しあったり深めたりしながら、これからの本格的な本制作に備えていきます。

 


自分の興味関心に素直でいることの可能性
「都市を探検する」をテーマに、初めての土地へ繰り出すような気持ちで生徒それぞれが渋谷の街を自由に歩き、街の風景を捉え直していった前回。気になった景色を写真に収めたり、スケッチをしたり、街の成り立ちや背景を想像しながら言葉を当ててみたり。それぞれの方法で自身の都市体験を記録・アウトプットしていきました。今回の授業前半ではそれらを発表しあうことで、生徒それぞれの視点や街への関心どころを共有していきます。

「私はデザインや色彩に興味があるので、渋谷の街にある『色』に注目して写真を撮ってみました。街を歩いていると、赤黄緑それぞれの服を着ている人がたまたま並んで信号機のように見えたり、赤と緑でクリスマスカラーになったり。そういった偶然の風景を発見する。いろんな人が交差する街だからの面白さだと思いました」「私は、人混みがすごく苦手で静かなところが好き。なので、人のいない渋谷の風景を探して写真を撮ってみました。渋谷は人が多くて都会的なイメージがあるけど、必ずしもそれだけではない。そういう、あまり知られていないような一面を表現したいと思いました」と、生徒の皆さん。それぞれの興味や感覚が軸となり、多面的な街の風景が浮かび上がってきます。

講師の山若さんは生徒の皆さん一人ひとりの声にフィードバックをしていきます。「一つのテーマを持って街を歩くのは、編集的な見方。とてもいいと思いました。それによって自分が普段しないような行動や視点が生まれていくし、企画として人に伝えていくための軸にもなっていく」「街を対象にしながら、自分の感覚を捉え直して表現していく。それは自分にしかできない街との関わり方。その自分の感覚にぴったりはまるようなタイトルをつけることで、自分のことを全く知らないような人にもより面白がってもらえるものになるのではないかと思います」と、これからの制作作業のために必要となってくるポイントを際立たせていきました。

 

有楽町の街の成り立ちに触れる
後半は、明治時代から有楽町のまちづくりに携わる三菱地所株式会社の皆さんによるレクチャーも。昔の有楽町周辺の街の景色や地図など様々な資料を見せていただきながら、街の歴史や地理的な背景にも触れていきました。例えば、明治時代には街に新聞社や劇場、映画館が造られ、情報の発信地となっていたこと。戦後直後に始まった自由市場が、有楽町が「商業の街」として栄えたきっかけとなっており、現在もその当時からの歴史を持つ老舗が多く残っているということ。普段歩いているだけではなかなか知ることのできない街の背景に、生徒のみなさんも興味津々の様子。「オフィスビルが集まっている『新しい街』という印象があったけど、こんなに長い歴史があったんだ。ゆっくり街を歩いてみたら、その痕跡を見つけられるかな」「街にいる人やお店をやっている人に話を聞いてみたい」と、これから本づくりを通して街と関わっていく上での、好奇心の手がかりを掴んでいったようでした。

 


一緒に面白がるための「視点のつくり方」
「これまでの授業では自分の想いを純粋に表現することを体験してきました。ここからは、編集者としてそれをどのように人に伝え、一緒に面白がれるか、ということを大切にしながら本づくりを進めていきます。編集者として重要なのは『視点のつくり方』。それを有楽町の街で一緒に実践していきましょう」と、山若さん。最後にはこれからの本づくりに向けたエールの言葉もいただき、授業が締めくくられました。

 


次回は、有楽町をフィールドワーク
次回の第6回授業のテーマは「街を探検する(at 有楽町)」。有楽町の街を自由に歩き、本を作り上げていく上での個々のテーマを見つけていきながら、それを企画として落とし込んでいく方法を学んでいきます。

 

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