REPORT

「EDITCITY 都市の探検と編集(第2期)」プレ授業2日目


街での体験をフォトエッセイとして表現する
編集者の山若マサヤさんがメイン講師を務める編集のクラス「EDIT CITY 都市の探検と編集」。このクラスでは、特定の街を舞台に、全11回の授業を通して生徒全員で一冊の本作りに取り組んでいきます(有楽町を舞台にした第1期クラスの様子は、「REPORT」ページからご覧いただけます)。

第2期クラスの舞台は、中野。2024年秋からおよそ半年間にわたる開講を予定しています。そのプレ授業として、3月25日、27日には二日間の単発プログラムを開催。中野の街にじっくりと身を置きながら、そこでの体験をフォトエッセイとして表現することを通して、「都市の探検と編集」を実践していきました。

1日目のレポートはこちら

 


手を動かすことを通して、思い起こされるもの
中野の街で「都市の探検」をしていきながら、そこでの気づきや発見を写真に収めていった一日目の授業。二日目は撮影した写真をもとに、それぞれがフォトエッセイの作成を進めていきます。

「書き進めていくうちに、気づいたら思い描いていたものから逸脱していってしまう感覚。そんな、『こんなつもりじゃなかったのに』というところに、実は面白さがある。エッセイ制作では、写真を入り口にとにかく手を動かして書いてみることで何を見つけられるか、ということにトライしてみてほしい。そこに編集のエッセンスがあると僕は思っています」と山若さん。そういった「逸脱」をエッセイを書く過程の中で大切にしていくために、今回は「書き直せないペンで紙面を埋めるように書く」ことが執筆のルールになりました。一緒にフィールドワークをしたグループで街での体験を改めて振り返りながら、それぞれが執筆に向かっていきました。

真っ白な紙を前にはじめは緊張の面持ちを浮かべつつも、次第にどんどんと筆を走らせていく生徒の皆さん。下書きや書き直しができないからこそ、書き進めながら二重線を引いたり、矢印を書いて追記したりと、考えが筆跡としてリアルタイムで紙面上に表れていきます。手と頭を一緒に、むしろ手の方が先に動いていってしまうような感覚を体感していく中で、街で自分が無意識的に感じていたことや考えていたことが思い起こされ、「探検」もより深まっていくようです。

 


「よく見る」「立ち止まる」「まっすぐ歩かない」ことで見えてきたもの
エッセイを書き終えた後は、二日間の授業を振り返りつつの発表会。それぞれ紙面にぎっしりと書いているため(中には1枚に収まらず、複数枚書く生徒も!)、ここでは、それぞれがエッセイに添える写真とともに、そこに込められたテーマや想いを発表にしていきます。

「今にも剥がれ落ちそうなタイルをみていた時に、『自分だったらこんなに中途半端なままにしない』と咄嗟に思ったけど、よくよく考えると、そういうどっちつかずの状態を許容する寛容さがもっと自分に必要なんじゃないかと思った」「マンションの横に置かれている雨晒しのチラシラック。一見雑だけど、よく見るとわざわざ取りやすい高さに置いてあるし、入っているチラシがどれも新しくて、そこからこの街に暮らす人の息遣いを感じた」「道路に落ちていた折りかけの折り紙のツル。誰が置いていったのか、どうして折りかけなのか、このあとどうなるのか、どうしても気になったので、ツルの視点になってノンフィクションの物語を書いてみた」と生徒の皆さん。

「よく見る」「立ち止まる」「まっすぐ歩かない」ことを通して見えてくるのは、普段は通り過ぎていたような自分の気持ちだったり、街や人の営みやその蓄積だったりしたように思います。また、「これまで、なんとなく街という存在そのものに居心地の悪さを感じていたけど、フィールドワークを通して自分にとって身近な存在として感じられるようになり、好きになった。街を歩くことが楽しくなった」という言葉もとても印象的でした。

 


生徒の皆さんのフォトエッセイをまとめた冊子も制作予定
二日間を通して生徒の皆さんが作り上げたフォトエッセイは、山若さんや、制作チームとして参画してくれるデザイナーの鈴木哲生さん、中村陽道さんとともに、一冊の冊子としてまとめていくことを予定しています。2024年秋からの本開講の生徒募集とともに、夏頃に配布開始を目指し、現在鋭意制作中。情報が決まり次第GAKUウェブサイトおよびSNSにて発信していきますので、ぜひご期待ください。

(写真:藤井さくら、執筆:佐藤海)

 

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