REPORT

「EDITCITY 都市の探検と編集(第2期)」プレ授業1日目


「都市の探検と編集」を中野の街で実践する
編集者の山若マサヤさんがメイン講師を務める編集のクラス「EDIT CITY 都市の探検と編集」。このクラスでは、特定の街を舞台に、全11回の授業を通して生徒全員で一冊の本作りに取り組んでいきます(有楽町を舞台にした第1期クラスの様子は、「REPORT」ページからご覧いただけます)。

第2期クラスの舞台は、中野。2024年秋からおよそ半年間にわたる開講を予定しています。そのプレ授業として、3月25日、27日には二日間の単発プログラムを開催。中野の街にじっくりと身を置きながら、そこでの体験をフォトエッセイとして表現することを通して、「都市の探検と編集」を実践していきました。

 


キーワードは「よく見る」「立ち止まる」「まっすぐ歩かない」
今回は明治大学中野キャンパスの教室を拠点に、二日間の授業を実施します。

一日目は、フィールドワーク。グループに分かれて中野の街へ繰り出し、まさに「都市の探検」をしていきながら、そこでの気づきや発見を写真に収めていきます。「キーワードは、『よく見る』『立ち止まる』『まっすぐ歩かない』。探検することに、失敗や間違いはありません。まずはリラックスして、自分の興味の赴くままに歩いてみましょう」と、山若さん。それを実践していくためのウォーミングアップとして、授業のはじめには、山若さんの解説とともに全員で街を練り歩く「ミニレクチャー」も交えつつ、フィールドワークがスタートしました。

今回は3つのグループに分かれて、それぞれ別のエリアを舞台に街歩きをしていきます。対象となったのは、中野駅前の賑わいのある商店街エリア、明治大学付近の住宅が密集するエリア、大きな神社や公園がある「新井薬師」と呼ばれるエリアの3つ。街なかでランチの場所を探すところから始まり、およそ3時間弱、しっかりじっくり中野の街を味わっていきます。

フィールドワークを進めていく上で山若さんから生徒の皆さんへ贈られた、「よく見る」「立ち止まる」「まっすぐ歩かない」というキーワード。それは、編集や街歩きが重なるところにある方法です。その方法を通した時に、生徒の皆さんは何を感じ取ることができるのか。普段は通り過ぎてしまう風景や物。同じように、見過ごしてしまいがちな自分自身の心の動き。それらに意識を向けながら、中野の街を体感していきました。みんなで街で活動をしていると、快く案内をしてくれたり、お話をしてくれる地域の方々。生徒の皆さんはお店や住民の方々との交流も楽しんでいる様子。街の中で予期せぬ嬉しい出会いもたくさん訪れていたようです。

 


街での着眼を分かち合う
フィールドワークの後には撮影した写真の中で特に印象的だったものを選んで紹介しながら、それぞれの体験を分かち合います。

「家の軒先に敷き詰められるように置かれた植木鉢。人が置いたものなのに、その人の手から離れた野生味を感じて面白かった」「横断歩道の白線が敷き詰められるように引かれたスクランブル交差点。スクランブル交差点と聞くと渋谷の街をイメージするけど、こっちはなんだかのんびりした空気が流れていて、交通サインというより模様みたいに見える」「路地でタバコを吸っている女性の姿がとてもかっこよくて、映画のワンシーンみたいだった。服装的に、お店の買い出しかな?どんな人なのか、バックボーンが気になる」と、生徒の皆さん。

今回対象となった3つのエリアは、それぞれ歩いて10〜15分ほどの距離感でありながら、街の景色や雰囲気が少しずつ異なり、その様子が発表を通して顕著に表れていきます。そして、一緒にフィールドワークを進めていった生徒同士でも、「この景色をそんな風に見ていたんだ!」「自分一人だけで歩いていたら気づかなかったと思う」と、お互いの着眼に新鮮さを感じている姿もとても印象的でした。

 


次回は、街での体験をもとにフォトエッセイを作り上げる
二日目の授業では、撮影した写真をもとにそれぞれがフォトエッセイの作成を進めていきます。「よく見る」「立ち止まる」「まっすぐ歩かない」ことを通して何が見えてきたのか。それを「エッセイ」として言葉にしていくことを通して、その体験をより深め、捉え直していく機会になりそうです。

(写真:藤井さくら、執筆:佐藤海)

 

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