REPORT

「coconogacco summer school」第3回 プレゼンテーション


自分だけの「ルック」をつくって発表する
「coconogacco summer school」はcoconogoccoによる特別クラス。ファッションデザインに興味のある方に向けた入門編として、それぞれがオリジナルの「ルック」を完成させることを目指して取り組みます。ファッションのクリエーションにおいて、コンセプトや世界観を表すための「ルック」。全3回を通して、パターン、素材、スタイリングといった要素に着目して、それぞれの表現に挑戦していきました。

8月26日(金)、最終回は「プレゼンテーション – コレクションをはっぴょうしてみよう!–」。これまでの授業で学んだパターン、素材、スタイリングの要素を活かして制作した、自分だけの「ルック」を発表します。生徒一人ひとりの作品に対して、講師の大草桃子さん、ゲスト講師の児玉耀さんに加え、coconogacco代表で「writtenafterwards」デザイナーの山縣良和さんも講評していきました。

 




ルックをつくることを通してクリエーションの原点をみつめる
前回から今回までに残された1週間の制作期間。オリジナルパターンのアレンジや異素材の組み合わせなど、これまでの授業の成果を活かした服づくりが進められてきました。今回の授業で重要になってくるのは、服作りとともにコンセプトや世界観をどう表現していくのか、ということ。自分自身がその作品を生み出す必然性はどこにあったのか。それを言葉にして表すとどうなるのか。制作のために探して手にした資料の束を見直したり、生徒同士で作品を着せ合ったりしながら、自身の制作をふりかえりなたら、そこにある意味を改めて捉え直す作業をしていきます。

 




自分の想いと結びついた装い方
生徒自身が作品を身に着けたり、ボディに着せたり、他の生徒に着てもらったりして、それらをルックとして発表していきます。

「服が破れた時、綿じゃなくて心の中が見えたらきっと面白い。僕だったら人形とお花だと思い、この服から飛び出ています」と、上半身が毛布に包まれていて中から人形や花が飛び出しているもの。「ネクタイって首以外にもつけていいんじゃない?と思い、すぐさまつくってみました」と、頭にも腰にも指にもどこでも身に着けられるもの。「ファッションと同じくらい大事なコスメを服づくりに応用してみました」と化粧品で素材の色が抜かれているものなど。

「これまでは教科書通りのパターンを引いていたけど、もっと自由に服をつくっていいことに気づけた」という声があがるように、自由な発想と形がそれぞれの想いと結びついています。ここから様々に発展をしていきそうな原石のような作品が立ち並びました。

 




デザイナーがデザイナーに贈るアドバイス
生徒の皆さんの発表を受けて講師の三人は、ロンドンで活躍するデザイナーと生徒の皆さんとのデザインの共通項を挙げたり、歴史的デザイナーのパターンを解説したりと、先輩デザイナーから後輩デザイナーへ、具体的なアドバイスがいくつも贈られていきます。また、山縣さんは「こんなかたちも面白くない?」と作品に手を加え、生徒の皆さんと共同で作品をアップデートしていきます。

「わからないけどやってみよう、そこから生まれるものが見えてよかったです。今回の授業を通して、ファッションデザインが誰でもできることも、だからこそ難しいことも体感したと思います。ここからみなさんがファッションでどんな自分だけの世界を表現していくのかが楽しみです」。山縣さんからのエールで発表が締めくくられました。

 


余白の時間がインスピレーションを生む
ファッションを学ぶために海外留学することや自分のファッションデザインに自信がなくなってしまった時の対処法についてなど。発表を終えた後は、山縣さんの呼びかけで生徒の皆さんも講師の皆さんも車座に。授業の時間をもちろん大切にしつつも、クリエイターの方々との何気ない立ち話や世間話や個人的な話が、生徒の皆さんのクリエーション観や職業観を豊かにしていく風景はGAKUで良く見られるものです。これからもこのようなシーンをたくさんつくっていきたいと思います。

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