REPORT

「Music Making Workshop 2022」第4回 作った曲を発表しよう


生徒それぞれが作り上げた楽曲を披露
「Music Making Workshop」はAbletonによる音楽のクラス。講師はAbleton認定トレーナーの​​森谷諭さんです。全4回の授業を通して、音楽制作ツール「Ableton Live」の使い方を学びながら、音楽の幅広い世界と出会い、それぞれの作品を作り上げていきました。

8月29日(月)の最終回では、これまでの授業を通して作り上げてきた作品の発表会を行いました。今回は森谷さんとともに、特別ゲストとして音楽家/プロデューサーの荒井優作さんもご登壇。生徒一人一人の作品に対してコメントやアドバイスをいただきながら、授業の後半では荒井さんの活動についてお聞きし、インディペンデントに活躍する音楽家・音楽プロデューサーの実際的な仕事にも迫っていきました。

 


プロフェッショナルな音響環境で自分たちの作品を鑑賞
約2週間の制作期間を経ての発表会。今回は特別に、荒井さんも愛用されているという「ADAM AUDIO」のスピーカーをお借りし、プロフェッショナルな音響環境での作品発表が叶いました。「広い周波数特性を実現し、原音を忠実に再現する高精度なサウンド」と評されるように、音像が心地よくも、身体に迫ってきます。スマートフォンやパソコンのスピーカーとは全く違って聞こえてくる音に驚きの声も上がります。

「海をテーマにした曲。鯨の鳴き声の音源を使ってみました」「たまたま見つけた音を組み合わせてみたら、宇宙みたいなイメージの音楽が生まれた」「コンセプトは、何もしていない時間。家でぼーっとしている時の気持ちを音楽にしてみたら面白そうだとおもった」と、作品とともに、生徒それぞれの楽曲への想いも語られます。自分の声や外部の音を録音して素材として使っていたり、自ら作詞してボーカルを入れたり。同じツールを使っていても、関心どころやツールそのものの使い方によって曲の雰囲気も様々。ライブ感覚で、みんなで体を揺らしながら楽しみます。講師のお二人からは、「映像的な音楽作品。生活音がうまく作品に組み込まれているね」「複雑だけどノリのいいリズム。どうやってつくっているのか気になる!」と、生徒一人一人の作品に対するコメントもいただきつつ、生徒同士でも、付箋を使って作品の感想を寄せ合います。

 


生徒の作品を目の前で編曲アレンジ
発表の後には、発表された楽曲をケーススタディにして、講師の方々による編曲・アレンジのデモンストレーションも。「曲にもっと変化をつけたい。フェードイン・アウト以外で曲に盛り上がりをつけられたら、もっと良くなったんじゃないかなと思っています」という制作した生徒自身の声も受け止めつつ、「自分だったら、軽い音の対比として、この部分にあえて重い音を使ってみるかも。ドラムを変えると曲のテンション感がガッと変化する。色々試してみるのがおすすめ」「一度作ったものから、音を大幅に減らしてみるのも一つの手。少ない要素で成立させることを目指してみよう!」と、講師の方々。「Ableton Live」の制作画面を映し出しながら、即興でリアルタイムに、作品に手を加えながらアドバイスしてくれます。生徒の皆さんは、プロの方々の息遣いとともに実際に楽曲が変化していく様子を感じながら、イメージの広げ方を掴んでいくようでした。

 


音楽にまつわる様々な仕事のあり方
「Ableton」の音楽制作ツールの使い方を身につけていきながら、生徒一人一人が音楽作品を作り上げていった今回の授業。では実際に、音楽を仕事にするとはどのようなことなのでしょうか?音楽にまつわる仕事には具体的にどのようなものがあるのでしょうか?授業の後半では、荒井さんの音楽家・音楽プロデューサーとしての活動の成り立ちや想いをお聞きしながら、音楽にまつわる職業観を育んでいきます。

16歳で音楽制作を始め、作曲からプロデュース、DJ、執筆など幅広く活動を行なう荒井さん。ミュージシャンのbutajiさんとの音楽ユニット「butasaku」での音楽プロデュースや、映画・ファッションショーの音楽、美術作品のサウンドディレクションなど。これまで手がけられた作品を制作プロセスから解説してくれます。その所々では、「音楽以外の様々なものにも意識を向けることが大切だと思う」「とにかく作り続けること。手を動かし続けることで見えてくるものがあるはず」と、荒井さん自身の創作との向き合い方や想いも語られます。普段なかなか聞くことのできない音楽家の仕事の裏側に、生徒の皆さんも興味津々。「どういう経由で仕事の依頼が来ているんですか?」「作品のプロモーションはどうやって行なっていますか?」と、音楽制作を仕事にしていく上での具体的な質問も寄せられました。

 


ミュージシャンとしての第一歩
「生徒の皆さんに言いたいことはたくさんあるけど、とりあえず魂を売るようなことをしなければ大丈夫。どんな音楽を作っていきたいかとか、音楽をどのようなものとして捉えているかは人それぞれだと思いますが、僕が好きだなと思う音楽は、かけがえのない、他では代替できないなと感じるもの。そういう作品を生み出していってもらえたら嬉しいなと思います」と、荒井さん。「4日間本当にお疲れ様でした。素晴らしい作品を聴くことができてよかった。今後、それぞれ制作をしていく中では、自分の思い通りにならないことやうまくいかないこともたくさん出てくるかもしれません。その時に、どうやって乗り越えていくか、その方法は一つじゃないはず。その時々で試行錯誤して、自分なりの答えを見つけていくことでいい作品が生まれていくんじゃないかと思います。皆さんの活躍を期待しています!」と、森谷さん。授業の終わりには、ミュージシャンとしての第一歩を踏み出した生徒の皆さんへ、講師のお二人からあたたかなエールの言葉をいただき、授業が終了しました。

そして、Abletonから生徒の皆さんへ、受講修了のプレゼントとしてAbleton Liveのライセンスとともに、なんとAbleton製品の特別クーポンが贈呈。生徒の皆さんがこれからどんな音楽を作り上げていくのか、今後もとても楽しみです。生徒の皆さん、講師の方々、本当にお疲れ様でした!GAKUでは発表の機会や生徒のみなさんが集まる機会を引き続き作っていく予定です。是非ご期待ください!

 

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