「coconogacco summer school」第1回 ふくのかたち
自分だけの「ルック」を生み出す入門編
「coconogacco summer school」はcoconogoccoによる特別クラス。ファッションデザインに興味のある方に向けた入門編として、それぞれがオリジナルの「ルック」を完成させることを目指して取り組みます。ファッションのクリエーションにおいて、コンセプトや世界観を表すための「ルック」。全3回を通して、パターン、素材、スタイリングといった要素に着目して、それぞれの表現に挑戦していきました。
8月18日(木)は第1回「ふくのかたち – バナナの皮をむいてみよう! –」。立体と平面の形状を行き来する、ファッションデザインの基礎となる「パターンメイキング」を学び、自分だけのパターンを見つけていきました。
紙コップとガムテープからパターンをつくってみる
全3回の講師を務めるのは、欧州最大ファッションコンテスト「ITS」の2013年ファイナリストでcoconogaccoマネージャーの大草桃子さん。一枚の布から人が身に纏うものをつくること。そこでは平面と立体を行き来する考えがとても大切になります。「パターンメイキング」のポイントをまずはバナナの皮を題材に紹介。剥いた皮を並べれば平面に、それらを再構成すれば立体に。身近な題材から考えることで、ファッションデザインの基礎となる「パターン」を実感し、「パターンメイキング」の実践に挑戦していきます。紙コップを包んだガムテープにハサミを入れていくと立体が解体され、オリジナルのパターンが完成。それらのパターンはもとの形状が紙コップだとは思えないほど複雑なもの。「今、みなさんが紙コップとガムテープでやったことを、素材を変えたりサイズを拡大することでファッションデザインにおけるパターンメイキングと同じことになります」「さらに複雑なパターンであればあるほど、シルエットにも変化が生まれていきます」。紙コップとガムテープからファッションデザインの基礎となる技術を体感していきました。
手を動かしながら考えて、考えながら手を動かして
紙コップをモチーフに、立体的な形状を平面に置き換えるパターンをつくったら、紙コップ以外のモチーフにも挑戦していきます。生徒の皆さんが持ち寄ったものは、例えばコーラの空き缶、ゲームコントローラー、ガチャガチャの景品、寝袋、椅子などなど。立体を平面に変換させるだけではなく、「これが大きくなったら面白そう!」「これとこれをくっつけたら見たことない形になりそうだな」と、スケールを変更したり、別の組み合わせを考えたり新たな発想が広がります。手を動かしながら考えて、考えながら手を動かして、沢山のオリジナルパターンを生み出していきました。
オリジナルを生み出すための方法
「ファッションにおいて『オリジナル』を生み出すことは難しいことじゃない。今日はこのことを伝えたいと思っていました。そして皆さんのパターンはまさにオリジナル。これをもとにしながら、それぞれルックの完成まで取り組んでいきましょう」と大草さん。敷居が高いように感じれらていたファッションデザインの領域が今回の授業を通して、取り掛かりやすくなっていったようでした。
次回は「ふくのそざい」に着目
次回の授業は「ふくのそざい – 意外なものをくっつけてみよう!-」。ゲスト講師に児玉耀さんが登壇されます。イギリスのセントラルセントマーチンズにてニットウェアデザインを学び、現在はファッションブランド「fluss」デザイナーとして活動する児玉さんと共に、「テクスチャー」に着目しながら、古着や服以外の様々なマテリアルを掛け合わせて全身をスタイリングしていきます。