「CO-CURATING」企画展『夜明け前の中で』(後半)
8名の生徒がキュレーションする企画展を有楽町で開催
「CO-CURATING」はThe 5th Floorキュレーターの髙木遊さんと岩田智哉さんによる、キュレーションをテーマとしたクラス。アーティストの方々とも交流を重ねながら、2023年4月からの全11回の授業を通して生徒全員で企画展の制作を進めていきました。
10月27日(金)から29日(日)には、その半年間にわたる成果の発表の場として、8名の生徒がキュレーションする企画展『夜明け前の中で』を開催しました。建て替えが予定されている「有楽町ビル」の元々オフィスフロアだった場所を舞台に、全6名のアーティストの方を招き、生徒それぞれがキュレーションする作品展示やトークイベントやWSを実施。3日間という短い期間ではありましたが、総勢300名以上の方々にご来場をいただきました。
ここでは、展覧会の実施風景とともに、会場にて作品に添えて掲示された生徒の皆さんによるキャプション等をご紹介します。
トークイベント「身体から生まれることば、から生まれる対話」
トークイベント「身体から生まれることば、から生まれる対話」 by 齋藤陽道、砂連尾理
「身体と心がゆるんで
感じたことが そのまんま
ことばになって 生まれていく」
自分の想いをことばにすること。それを「声」に出そうとすること。それは、夜明け前、太陽の光が近づき、明るくなっていく景色に似ています。そのじかんは、少し怖くて、でも新しい何かが生まれる、喜ばしい瞬間でもあります。その瞬間を、展覧会に集まった人みんなで分かち合いたいと思い、齋藤陽道さんと砂連尾理さんをお招きし、トークイベントを企画しました。ことばが生まれる瞬間を聴きに、観に、体験しに、ぜひお越しください。
(キュレーター:内田静、河本紗柊)
ワークショップ「からだで作品をみる」
ワークショップ「からだで作品をみる」 by 砂連尾理
振付家・ダンサーの砂連尾理さんはこれまで、子供、学生、大人、妊婦さん、老いた人、障がいのある人/ない人、介護する人/される人、踊りたい人/踊りたくない人、あらゆる人といっしょに、その場で生まれる関係、時間、空間を感じるようなワークショップを各地で行ってきました。今回の企画展では、会期3日目の 10月29日に「からだで作品をみる」ワークショップを開催します。ゆったりとした時間の流れの中で、普段よりもからだの感覚がひらかれた状態で作品をみて、その上で感じたことを話し合い、共有する。この展覧会の会場という空間の、ワークショップの時間でしか成立しえない、身体と身体の、身体と作品の、身体と空間の、あらゆる関わり合いにご期待ください。
(キュレーター:吉田陽馬)
*ワークショップ開催前日の10月27日および28日には、生徒の皆さんが実際のワークショップの一部内容を実際に体験し、自らの身体について考え、対話している様子を撮影した記録映像の投影を行いました。
出演者:砂連尾理、企画展キュレーター
撮影•録音:山本梨華子、足立萌子
制作:吉田陽馬
2023年10月1日撮影
キュレーターツアー「『夜明け前の中で』ができるまで」
「このアーティストの方と」と強く願い、それが叶う機会となったこの企画展。展覧会内ではそのバックストーリーも含めて紹介する場として、今回の企画展においてメインビジュアルや空間全体のキュレーションに携わった前島まやさんを中心とする生徒の皆さんによる展示ガイドツアーの実施とともに、会場内でそれぞれのコンセプトや展覧会に至ったプロセスの展示を行いました。
(キュレーター:前島まや)
終わりに
リサーチのために現地を赴いたり、アーティストの方々や生徒同士での打ち合わせを行ったりと、授業外の時間も多く活用をしながら、企画展に向けてまさに一つのプロジェクトとして活動を進めていったこのクラス。生徒の皆さん、先生方、半年間本当にお疲れ様でした。GAKUでは来年度も、現代美術のキュレーションをテーマとしたクラスを開講予定です。今後の展開にもぜひご期待ください。
(写真:熊井晃史、佐藤海 執筆:佐藤海)
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