CO-CURATING企画展 「夜明け前の中で」を開催します
はじめに
夜明け前。夜でもなく朝でもない、その曖昧さに身を置くということは、どのようなものか。なにかを待つ時間なのか。なにかに潜んでいる時間なのか。なにかに耐え忍んでいる時間なのか。なんでもない。何者でもない。その曖昧さは、喜ばしいことなのか、苦しいものなのか。
GAKU、The 5th Floor主宰のクラス「CO-CURATING」による展覧会「夜明け前の中で」を開催します。
開催概要
会期:2023年10月27日(金)〜29日(日)
時間:11:00〜19:00
*初日のみ13:00〜20:00
会場:有楽町ビル 5F(〒100-0006東京都千代田区有楽町1-10-1 有楽町ビル 5F)
*有楽町駅から徒歩3分
入場料:無料(来場予約制)
*ご予約は、来館当日のご記入でも結構です
アーティスト:齋藤陽道、砂連尾理、髙橋銑、中村菜月、古石紫織、ロバート・ボシシオ
*齋藤陽道氏、砂連尾理氏はそれぞれトーク、ワークショップという形での参加となります。
キュレーション:内田静、河本紗柊、白水陽、との、高橋七彩、前島まや、松本神奈、吉田陽馬(「CO-CURATING」受講生)
デザイン:岡田将充(OMD)
[主催]GAKU、The 5th Floor
[協賛・協力]三菱地所株式会社
イベント
キュレーター・ツアー「『夜明け前の中で』ができるまで」
本展のキュレーターを務める「CO-CURATING」受講生による展示ガイドツアーです。「このアーティストの方と」と強く願い、それが叶った展示会。それぞれの想いとともに、作品解説や展示会に至ったプロセスもご紹介していきます。
日時:10月27日(金)17:30〜19:00
参加費:無料
定員:15人程度
参加方法:事前予約優先
ガイド:内田静、河本紗柊、白水陽、との、高橋七彩、前島まや、松本神奈、吉田陽馬(「CO-CURATING」受講生)
トークイベント「身体から生まれることば、から生まれる対話」
「身体と心がゆるんで
感じたことが そのまんま
ことばになって 生まれていく」
自分の想いをことばにすること。それを「声」に出そうとすること。それは、夜明け前、太陽の光が近づき、明るくなっていく景色に似ています。そのじかんは、少し怖くて、でも新しい何かが生まれる、喜ばしい瞬間でもあります。その瞬間を、展覧会に集まった人みんなで分かち合いたいと思い、齋藤陽道さんと砂連尾理さんをお招きし、トークイベントを企画しました。ことばが生まれる瞬間を聴きに、観に、体験しに、ぜひお越しください。(内田静)
日時:10月28日(土)16:00〜18:00
参加費:無料
定員:30人程度
参加方法:事前予約優先
ゲスト:齋藤陽道(写真家)、砂連尾理(振付家/ダンサー)
聞き手・企画:内田静、河本紗柊、吉田陽馬(「CO-CURATING」受講生)
ワークショップ「からだで作品をみる」
作品を鑑賞する時の自分のからだがどんな状態か、ということは、作品をみる体験そのものに大きく作用します。このワークショップではまず、ゆったりとした時間の流れの中で、普段よりもからだの感覚がひらかれた状態で作品をみることを、集まった人みんなで体験していきます。そして、その上で感じたことを、ゆっくりと話し合いながら共有してみたいと思っています。(吉田陽馬)
日時:10月29日(日)14:00〜17:00
参加費:無料
定員:15人程度
参加方法:事前予約優先
ファシリテーター:砂連尾理(振付家/ダンサー)
企画:吉田陽馬(「CO-CURATING」受講生)
*イベントのご参加は、「来館予約フォーム」よりあわせてお申し込みください。
アーティストプロフィール
*あいうえお順
齋藤陽道 Harumichi Saito
1983年、東京都生まれ。2020年から熊本県在住。都立石神井ろう学校卒業。2010年、写真新世紀優秀賞。2014年、日本写真協会新人賞。2019年、『感動、』で木村伊兵衛写真賞最終候補。Eテレ「おかあさんといっしょ」のエンディング曲「きんらきらぽん」の作詞を担当。写真家、文筆家としてだけではなく、ドキュメンタリー映画出演など、活動の幅を広げている。
http://www.saitoharumichi.com/
砂連尾理 Osamu Jareo
振付家、ダンサー。1965年、大阪市生まれ。91年、寺田みさことダンスユニットを結成。02年、「TOYOTA CHOREOGRAPHY AWARD 2002」にて、「次代を担う振付家賞」(グランプリ)、「オーディエンス賞」をW受賞。04年、京都市芸術文化特別奨励者。08年度文化庁・在外研修員として、ドイツ・ベルリンに1年滞在。近年はソロ活動を中心に、ドイツの障がい者劇団ティクバとの「Thikwa+JunkanProject」(ドラマトゥルク・中島奈那子)、京都・舞鶴の高齢者との「とつとつダンス」、宮城・閖上(ゆりあげ)の避難所生活者への取材が契機となった「猿とモルターレ」等を発表。また、濱口竜介、山城知佳子、石田智哉、福原悠介の映画作品への振付・出演や「アートセンターをひらくⅠ期、Ⅱ期」(水戸芸術館、2019~2020)、山形ビエンナーレ2022「まちのおくゆき」など展覧会、芸術祭に招聘作家として参加する。著書に「老人ホームで生まれた〈とつとつダンス〉―ダンスのような、介護のような―」(晶文社)。立教大学 現代心理学部・映像身体学科 教授
https://www.jareo-osamu.com/
(photo:草本利枝)
髙橋銑 Sen Takahashi
1992年東京都に生まれ、東京藝術大学大学院 美術研究科彫刻専攻修士課程を2021年に修了。近現代彫刻の保存修復に携わりながら、自身もアーティストとして作品制作を行う。保存修復の知識や経験を起点とし、彫刻、映像、インスタレー ションなど多岐にわたる作品を展開している。主な展覧会にリニューアルオープン記念特別展
Before/After、広島市現代美術館(2023)、これらの時間についての夢、宇都宮美術館(2022)、ArtistProject#2.06 髙橋銑、埼玉近代美術館(2022)など。
https://leesaya.jp/artists/sentakahashi/
中村菜月 Natsuki Nakamura
美術作家。1994年生まれ。2016年筑波大学芸術専門学群日本画領域卒業。詩の領域についての探求と制作を行う。絵、詩、立体等によって構成される展示空間が特徴。
https://natsukin.themedia.jp/
古石紫織 Shiori Furuishi
1986年、滋賀県生まれ。武蔵野美術大学 造形学部日本画学科を2014年に卒業。現在、東京を拠点に活動。自身の中に蓄積された日々の記憶を辿り、幾重もの記憶の世界がゆるやかに編み込まれた風景を紡ぎ出す。主に水辺や植物を描き、「日本画らしい色彩」を超え、自身の「色彩」を追い続けている。雪梁舎フィレンツェ賞展 第20回記念賞受賞(2018年)。主な展覧会に、郷さくら美術館 桜花賞展(2020年)、倉吉美術館 菅楯彦大賞展(2021年)、その他、個展・グループ展多数。
https://www.shiorifuruishi.com/
ロバート・ボシシオ Robert Bosisio
1963年、イタリア北部トローデナに生まれる。ウィーン美術アカデミー(The Academy of Fine Arts Vienna)を卒業後、ベルリン、ニューヨーク、ロンドンで活動。現在は故郷トローデナを拠点に制作を続ける。これまでに、アートセンターHugo Voeten(ベルギー/2014年)、国立美術館MUZEUL DE ARTA(ルーマニア/2010年)の他、オーストリア・ドイツ・スイス・アメリカなどで個展を開催。2011年にはベネチアのLa Fenice賞を受賞し、同年ベネチア・ビエンナーレのイタリアンパビリオンで作品を展示する。また昨年、BP Portrait Award 2020のファイナリストに選ばれるなど、世界的な評価は高い。ボシシオの作品を数多くコレクションしている映画監督のヴィム・ヴェンダースは、長年にわたって良き理解者として交流を続けている。
http://www.robert-bosisio.com/
「夜明け前の中で」ができるまで
キュレーションという古くて新しい方法。美術館は、作品を生み出すアーティスト以外にも様々な立場の人の働きによって成り立っています。例えば、キュレーター。展示などを企画し実現する役割を果たしています。
国内外の実践や研究の歴史を踏まえながらも、新たな意味や価値を見出していくその働きは、キュレーティングとも呼ばれ、近年注目が集まっています。なぜなら、混迷する現代において、過去から引き継がれてきた知識や知恵を参考にしながらも、他者を招き、未来を拓いていくことはより重要性を増しているからです。ですから、誰もがキュレーターであるとも言えます。そのような想いから、GAKUではキュレーターの髙木遊さんと岩田智哉さんをお招きし、現代美術のキュレーションをテーマとしたクラス「CO-CURATING」を開講しました。
8名の生徒が、2023年4月からの半年間の授業を通して企画展を作り上げていきました。現地に足を運んだり文献を紐解いたりする徹底的なリサーチ。自分自身の興味関心や感情と向き合い突き詰めていくコンセプトワーク。憧れの気持ちを持ちながらも企画展への参画のその必然性を表す出展依頼書の作成や自分自身の中にある確かさを他者とも分かち合うためのキャプションといったテキストワーク。一口にキュレーションと言っても、多様で幅の広い活動がそこには待っていました。試行錯誤、手探り、暗中模索。まさにそのような状況が続く中、憧れのアーティストと自分の想いが交わったり、表現の核のような部分に触れられたと思えるとき、それらの体験がそれぞれの生徒の羅針盤になりました。そして、新しい何かが生まれる瞬間に立ち会いその原因の一端を担うということには、この上ない喜びがあるように思います。今回の展示会では、是非、それらのプロセスも感じていただければ幸いです。
GAKU事務局
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展示会に関するお問い合わせ
co-curating@gaku.school(GAKU CO-CURATING)