「CO-CURATING」第11回 プランニング(全体構成)
みんなで集まって全体のことを考える
「CO-CURATING」はキュレーターの髙木遊さんと岩田智哉さんによる、キュレーションをテーマとしたクラス。アーティストの方々とも交流を重ねながら、全11回の授業を通して生徒全員で企画展を作り上げていきます。
翌月末に控えた企画展開催。アーティストの方とのやりとりやキャプションの作成等、引き続き開催に向けて個々の活動は続いていきますが、9月17日(日)の第11回の授業は、生徒みんなが事前に集まる最後の機会。これまでの準備を労いながら、みんなで集まって共有したり議論をする時間を経て、展示の全体像を見据えていきました。
それぞれのコンセプトを一つの展覧会として実現するための全体構成
展覧会テーマの読解、アーティストとの交渉や調整、作品の設置方法の計画、トークイベントの計画、作品に添えるキャプションの制作、展覧会の挨拶文の制作など。一口にキュレーションと言っても、これまでの10回の授業を通した活動は多岐に渡ります。そして、一人ひとりがキュレーターとして、それぞれの活動も増えていった後半の授業。そこで、それぞれの活動の報告や気になるところをみんなで共有していきます。
「作品を鑑賞するだけが展覧会ではないはず。作品を見てすぐに帰るのではなく、腰を下ろしてゆっくり鑑賞体験を振り返ったり、他の人とコミュニケーションを取ったりできる場を作れないだろうか」「これまで展覧会に足を運んだことのないような人にも気軽に来てもらえるようなものにしたい」と、これまでの授業でも挙げられていた想いやこだわりが、自然と話題に改めて上がっていきます。
それぞれの作品が展示される会場レイアウトは決まっていたものの、受付の場所や休憩スペースのあり方、受付での来場者の方へのアナウンスのあり方も含めて、どのような鑑賞体験をつくっていきたいのか。そのイメージとともに、それを叶えるための具体的な方法へと議論が発展していきました。
共にあるためのキュレーション
「まずは半年間、本当にお疲れ様でした。8名のキュレーターがそれぞれアーティストの方を招いて一つの企画展を作り上げていく、という体験は僕たち自身も初めての試みになりました。自分と異なった興味関心を持った誰かに自分の想いをぶつけること、共に何かを作り上げていこうとすること。それはとても難しく、大変なことだと思いますがとても大切なことです」「他者を招くことではじめて、自分の想像し得ない方向に向かっていけたり、新しい何かが生まれていく。その喜びと手応えを一緒に感じることができてとても嬉しいです。開催まであと一踏ん張り、がんばりましょう!」と、講師のお二人からエールの言葉をいただき、授業が締めくくられました。
CO-CURATING企画展「夜明け前の中で」を有楽町で開催
半年間にわたる活動の成果である生徒の皆さんによる企画展『夜明け前の中で』は、10月27日(金)から29日(日)の期間に有楽町にて開催。建て替えが予定されている「有楽町ビル」の元々オフィスフロアだった場所を舞台に、全6名のアーティストの方を招き、生徒それぞれがキュレーションする作品展示やトークイベントやWSを実施予定です。ぜひお越しください。
(写真・執筆:佐藤海)