REPORT

「Beyond the Music(第3期)」第6回 コンセプト立案


それぞれの楽曲制作の起点をつくる
「Beyond the Music」は江﨑文武さんによる音楽のクラス。多角的な視点で音楽表現のあり方や可能性を見つめていきながら、全12回の授業を通して生徒一人ひとりが音楽作品を作り上げていきます。

様々な視点から音楽表現のあり方を見つめていった全5回の「レクチャー編」を経て、今回からはいよいよ本格的な楽曲制作がスタートしていきます。その初回となる11月5日(日)の第6回授業は、楽曲の「コンセプト立案」。自分はどんな曲を作りたいのか。曲の中で何を表現していきたいのか。メイン講師の江﨑さんや、生徒同士でもフィードバックを贈りあいながら、それぞれの楽曲のコンセプトを磨いていきます。

 



言葉で表しきれないものを、あえて言葉にしてみることで深める
「音楽は形のない、抽象的なものでもある。だからこそコンセプトの強度であったり、それをちゃんと伝える言葉を持っていることも、とても大事だと思っています」と、江﨑さん。そんなご自身の想いから、今回の授業に向けて事前に生徒の皆さんへ提示された課題は「『自分がどんな曲を作りたいか』をなるべく具体的に想像して、それを自分なりに言葉にする」こと。そして既存の楽曲や、絵や写真などのビジュアルイメージといった、「なるべく具体的に想像」する上でのインスピレーション源となったものを持ってくること。今回の授業では、それらを江﨑さんや、生徒同士でもフィードバックをし合うことで、それぞれのつくりたい曲のイメージを深めていきます。

「普段生活をしている中で聴こえてくる音が気になる。環境音なんだけど、不意に音楽に聞こえる瞬間がある。それを集めて、アーカイブするような音楽を作ってみたい」「自分が今感じている、将来への漠然とした不安を曲にしたい。自分と同じような悩みを抱える同年代の人と分かち合ったり心の支えにしてもらえたりするような曲にしたい」「別の人がリミックスをしたり、パフォーマンスで使われたりなど、曲を介していろんなコラボレーションや展開が起こっていくような曲を作りたい」と、生徒の皆さん。それぞれのイメージを交わし合いつつ、「それ面白い!」「確かに!」「その発想はどこから来るの!?」と、自然に会話が盛り上がっていく様子もとても印象的です。そんなコミュニケーションを重ねていく中で「自分って実はこう思っているのかも」と、自分自身に対する新たな発見にも繋がっていきます。

 


周りの手を借りることも大切
「今日の授業を通して、お互いがどんな曲を作りたいと思っているのか、なんとなく情報交換ができたと思います。これから基本的には個人で制作を進めていく形になりますが、ぜひ生徒同士で相談しあったり、コラボレーションしたりしてみてください。そうしたらどんどん可能性が広がる。周りの手を借りることも、音楽制作をする上で重要なことだと僕は思っています。何かあればぜひ、僕にも相談してください」と、江﨑さん。力強いエールの言葉で、授業が締めくくられました。

 


次回は、「Ableton Live」を使った楽曲制作
次回からは、実際にAbletonのDTMソフト「Live」を使った音楽制作に取り組んでいきます。講師は、Ableton認定トレーナーの森谷諭さん。これまでの学びや生徒の皆さんそれぞれのコンセプトが、どのように楽曲制作に活かされていくのか。今からとても楽しみです。

 

「Beyond the Music(第3期)」クラスページはこちら