REPORT

「新しい演劇のつくり方(第2期)」 第13回 演出・演技(稽古③)


演じながら演出案を考える
「新しい演劇のつくり方」は昨年度に続いて開講となる演劇のクラス。今年度は演劇カンパニー「チェルフィッチュ」を主宰し、このクラスの総合ディレクターを務める岡田利規さんによる『三月の5日間』を原作とし、中高生である生徒の皆さんが新たな演劇作品を戯曲からつくっていきます。

6月11日(日)の第13回も稽古を重ねながら、それぞれのシーンの演出案を検討していきます。さらに、衣装や小道具などについても具体的に考えていきました。




舞台から客席へ、何をどう働きかけるのか
前回の授業から自主稽古も重ね、演出案の全体像が少しずつ見えてきた生徒の皆さん。今回はまず戯曲の後半を実際に演じながら考えていきます。

例えば、クラスのほぼ全員が登場するシーンでは、「今のままだとどこに注目したらいいのかわからない」と声があがり、更に演出案を磨いていくことになります。「このシーンで伝えたいことは、そもそもなんだけっけ?」「客席からはどう観える?」と、検討を重ねていきます。演じ手としてどこに目線を向けるのか、誰と誰の目線はどのように交わるのか、声の抑揚やトーンはどのようなものか。少しでも気になったことがあれば、演技を止めて、山田さんとともに確認していきます。




発想をどんどん持ち寄る
演技の仕方の検討が進んでいくと、次第に衣装や小道具についても意識が向いていきます。「実はGAKUの他クラスで作った服があって、それがピッタリだと思うんだけどどうかな」「小道具が本物だと生々しくてこの作品には合わない気がする。何かを見立てることはできないかな」「みんなの声を重ねて録音したものを流したらどうだろう」と、ここでもそれぞれの発想を持ち寄っていきます。


集団創作を味わう
稽古を重ねるごとに少しずつ演出案を精査していく生徒の皆さん。
本番まで約1ヶ月となり焦りを感じつつ、授業が終わった後も台本の校正や読み合わせをしたり、何気ないおしゃべりをしたり、これまで以上に生徒の皆さん同士が集団創作も醍醐味を味わいながら取り組まれている姿が印象的でした。その姿を見て、きっといいものができるなと確信に近い感覚も不思議と覚えました。

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