REPORT

「我美と作美(第2期)」 第2回 美しさと社会


歴史を紐解いて体感する美の多様性
「我美と作美」は、メイクアップを通して新たな「美しさ」を表現するクラス。昨年度に引き続き開講する今回も、様々なジャンルのクリエイターが生み出す「美しさ」に触れながら学びつつ、10代の生徒の皆さんが、メイクアップを通して、これからの時代の美意識を自ら生み出していきます。

計良宏文さん(資生堂トップヘアメイクアップアーティスト/「SABFA」校長)、山縣 良和(writtenafterwardsデザイナー/ coconogacco代表/GAKUディレクター)のレクチャーを通して全11回の授業の全貌を確認していった初回授業。続く、10月19日に行われた第2回では、メディア環境学者の久保友香さんをお迎えし、時代や社会によって影響を受ける「美しさ」の変遷を学んでいきました。





いつの時代にも変わらない「作美」という営みと変わる「美しさ」
日本最古の美人画とされる高松塚古墳壁画から平成のアニメまで。時代ごとの美の価値観を確認していきます。目を細く厚みがあるように見せることが良いとされていた時代の美(目を細く見せるための化粧法がノウハウとして紹介されていた書籍があるほど)。サインペンである白いポスカも化粧道具として使われて表現されていた美(「プリクラ」の写りに最適化されていったのではと分析されていました)。時代によって美の価値観が変遷していく様子をその背景にある社会状況とともに紐解いていくと、多様な美のあり方が浮かび上がっていきます。同時に、理想的な姿を目指して創作をしていく「作美」の時代を超える営みも感じていきます。

また、時代ごとの美しさの変遷をさらに深く味わうために、久保さんが開発した「Orikao Method(折顔メソッド)」も体験。自分の顔を出力した紙を折り紙のような要領でいろんな折り方を試していくと、時代ごとの美人画の顔のように変わっていきます。知識ではわかっていても、実際に自分の顔を素材にその変化を目にすると「作美」の手応えも感じやすくなっていくようです。「そもそも現代の人間の顔と比べても顔の造りそのものは昔の人も、それほど変わらないはず。でも、顔が違って見えるのは、まさに『作美』の方法が異なってくるんですよね」と言われるように、時代ごとの美しさの変遷を自分ごととして捉えていきます。




変わり続ける、これからの「美しさ」を考える
文化としての「盛り」を研究されている久保さんのお話は、「盛り」という営みの拡張についても及びます。「『顔を盛る』から『全身や背景などのシーン全体で盛る』、そして『ライフスタイルを盛る』というように、メディアの技術進歩に併せてここ25年でどんどん変化している」ようです。また、コロナ禍においてオンライン環境があたりまえになった状況。アバターを介したコミュニケーションが普及したりメタバースが浸透する未来。現在や未来における美のあり方へも考察が進みます。「アバターを使える環境で、みなさんは自分の顔を出したいと思いますか?それとも、自分とは別のキャラクターを使いたいと思いますか?」「そのような環境におけるメイクアップとはどのようなものになると思いますか?」と、議論が盛り上がります。


次回は、自分だけにある美を形にする
次回授業の講師は、モデルエージェンシーの「PUMP management」のみなさん。(代表の加藤メイさんとモデルのLeiyaさんが出演された「ガクジン」はこちら)画一的な美の価値観を揺さぶるような活動を多くされていらっしゃいます。授業では、それらの活動の様子を伺いつつ、自分なりの美しさを探求していきます。「PUMP management」代表の加藤さんからの事前課題は「自分が一番ドキドキする瞬間を考えてくること」。自分の心が動くその瞬間を改めて見つめ直すことで、これから生徒のみなさんが取り組む「新しい美しさ」をテーマにした制作の足がかりを探っていきます。

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