「(Non)Fictional Urbanism – まちの観察と実験 –」第3回 空間の観察
空間から捉える街の可能性
港区・新橋エリアを舞台にして、リアルな都市空間や建築デザインを学んでいく「(Non)Fictional Urbanism – まちの観察と実験 –」。建築家の海法圭さん、津川恵理さん、建築リサーチャーの川勝真一さんからなる「Town Play Studies」と、変わりつつあるまちの「観察」と理想の都市のあり方の「実験」を通して、これからの都市や街のあり方を考えていきます。
10月5日(木)の第3回授業のテーマは「空間の観察」。フィールドワークを通じて街の中の隙間や余白を見つけ、その場所にありうるかもしれない新たな街の可能性を、スケッチやコラージュの技法を用いて思い描いていきます。
まちの理想像を育む
これまで「モノ」や「人」に着目しながら街を観察してきた生徒の皆さん。今回は街の中の隙間や余白をはじめとした「空間」を観察していきます。フィールドワークでは、新橋の街中を歩きながら隙間や余白を探して撮影。この街での過ごし方を思い思いにイメージしながら、撮影した写真にスケッチを書き加えたりコラージュし、自分や誰かにとっての居場所をつくっていきます。
飲み屋の周辺にある公園をコワーキングスペースに。初回授業で発見した居酒屋の「ダンボール机」などを設置して、サラリーマンが仕事を終えてすぐ飲みにいけるための空間。
人通りの少ない駐車場に楽器をおいてパブリックライブハウスに。音楽を演奏したり聞いたりしてストレス発散できるための空間。
街に並ぶたくさんの電柱やビルを繋げて大型ハンモックを設置。忙しい仕事の合間にも一休みできるような空間。
路地裏のビルの隙間には路上水族館。大人のための飲み屋だけではない、10代も楽しんだり癒されるための空間。
広い道路に面した電柱の上を立体駐車場に、下は駐輪場に。「駐車場は多いけど駐輪場が少ない!自転車を止める場所がなくて困ってしまった」という発見からの提案。
観察と実験の実践
街を歩きながら、同時に手も動かすことで、理想の街のあり方に具体性が帯びてきた今回の授業。「それぞれ表現方法も着眼点も様々。それを大事にしながら実験を繰り返して、理想の街のあり方を仕上げていきましょう」と講師の川勝さん。街の隙間や余白を見つける着眼点。それらを街のみんなに有効活用していくための着眼点。実際に新橋の街づくりを進めている、このクラスの協力企業であるURの社員の方々も生徒のみなさんの目の付け所が強く印象に残ったようでした。
次回は渋谷を「五感」で観察
次回は、GAKUのある渋谷に舞台を移し、街にある様々な「現象」を観察。音や匂い、ものの硬さや明るさなど、普段何気なく感じている存在をセンサーで数値化し、さらに解像度をあげながら都市を捉えていきます。