REPORT

「ものがたりとものづくり」 第2回 工場見学


愛知県知多の家具工場で、ものづくりのそもそもを学ぶ
「ものがたりとものづくり」はプロダクトデザイナーの岩元航大さんが講師を務める全11回のクラス。カリモク家具の木材に触れながら、生徒の皆さんも1人のプロダクトデザイナーとして制作や発表をしていきます。第2回となる今回は、愛知県知多にあるカリモク家具の工場に訪問し、生徒のみなさんのプロダクトデザインにおいて大切にすべきことを学んでいきました。



森から家具をつくる会社だからこその持続可能なものづくり
長い間街路樹として親しまれていた木、個性が強いゆえに使われる機会の少ない木など。製品を作るという目的を超えて、カリモク家具は、様々な木材を保管されています。今回のクラスで扱うのは、そういったカリモク家具がコレクションしている「ものがたり」を持った木材たち。

そんなカリモク家具で木材の管理を担当される森川さんによるレクチャーから授業はスタート。燃料として、食料として、建材として。私たちは、森から様々な恩恵を受けています。​​レクチャーでは、そのような人と森との関係を確認しながら、カリモク家具の森から家具をつくる会社だからこその、持続可能なものづくりのための創意工夫を確認していきます。リサイクル材の活用、木材廃棄の削減、商品の修理・パーツ交換等のリユースシステムの構築など。森や木への畏怖や尊敬の念に近いこだわりを感じ、生徒のみなさんの木材に対しての向き合い方も少しずつ真剣味が増していくようでした。





「ものづくり」の迫力を現場で感じる
カリモク家具のものづくりやその背景にある人や森にまつわる哲学を学んだ後は、家具を実際に作っている現場もご案内を頂きます。製材、組み立て、仕上げなど、機能によって分けられた広大な敷地にある3つの工場を巡っていきます。それぞれガイドを頂きながら、その細部の工程も含めてじっくりみていきます。最先端の機械と職人の技術を掛け合わせたカリモク家具のものづくり。次々と形になっていく家具の姿に生徒の皆さんの目も終始釘付けでした。






「ものがたり」を持つ木と出会う
そして、生徒のみなさんはついに自分たちのプロダクトデザインをするための素材としての9種類の木材と対面します。「街路樹として親しまれていたものの倒木の危険があったため伐採された兵庫県のケヤキ」「黒いしみが入ってしまい一般市場では扱えない宮崎県のシラカシ」「樹液を採取したのちに伐採され廃棄予定だった岩手県のウルシ」など。カリモク家具のスタッフの方が一つずつ、それぞれの木材のそれぞれのものがたりを丁寧に説明してくださいます。

まずは講師の岩元さんが先頭に立って木材を触ってみたり、匂いを嗅いでみたり、色々な明るさの下で色を観察してみたり。プロダクトデザイナーとして徹底的に素材を確認するその様子そのものも、生徒の皆さんにとって印象的だったようです。生徒の皆さんも思い思いの方法で木材と触れ合っていきました。


プロダクトデザイナーとしての第一歩
これから生徒の皆さんが向き合う木材の「ものがたり」を実際に触れながら確認していった今回の授業。
次回の授業では、それらの木材がどんなプロダクトに適しているのかを掴むため、それぞれが持つ特性をリサーチしていきます。

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