REPORT

「世界のどこでも自分の家になるモバイルハウス『動く家』」第5回 中間発表会

アイデアを見つめ直し、さらに発展させていくための中間発表
世界的建築家・伊東豊雄さんが主宰する「伊東建築塾」による「世界のどこでも自分の家になるモバイルハウス『動く家』」。講師を務めるのは、o+hの百田有希さんと大西麻貴さん、PERSIMMON HILLS architectsの廣岡周平さんです。

12月12日(日)に開講された第5回は、これまでの授業を通して構想したモバイルハウスの中間発表会。講師の百田さん、大西さん、廣岡さんに加え、特別講師の伊東豊雄さん、そしてこのクラスにご協賛いただいているカリモク家具の加藤洋さんを講評者にお迎えし、生徒一人一人へ、これからの制作に向けたフィードバックをいただきました。

 

家の存在そのものを考えることで、未来の人の暮らしも見えてくる
「もしも」という視点から考える。家の周りの環境から考える。人の過ごし方から考える。家の存在をそもそものところから捉えて構想してきたこれまでの授業。今回の中間発表では、小さな模型やスケッチとともに、制作過程での様々な創意工夫が語られます。いろんな地域の人と交流したいという想いから、木の上や傾斜のある場所でも自由に移動できるような多角形やアーチ状の家。小さい空間の中で移動しながらでもゆったり過ごせるように、天井に向かって広がっていくような開放感のあるつくりの家。「こんなふうに過ごしたい」というそれぞれの想いが詰まったアイデアを通じて、新しい暮らしのあり方も見えてくるようでした。

「この家で一人で過ごしたい?それとも誰かと一緒に?形や家の外の環境のことは考えられているから、次は『人がどのようにそこで過ごすのか』をいろんな角度から想像してみるとどう?」「部屋の広さは?天井の高さはどのくらい?この過ごし方なら柔らかい素材がいいよね。実際の大きさや素材を想像してみよう」など、講師の方々からの一人一人への問がけも充実。自分の作りたいものを改めて思い直したり、アイデアを実現するための具体的な発想を考えたりするきっかけになったようです。

 

アイデアを実現していく過程に建築の面白さがある
「それぞれの個性がアイデアにうまく反映されていて、とても面白いと思いました。模型を仕上げることももちろんだけど、『自分はこういうコンセプトでこういうものを作りたい』という気持ちをしっかり持つことが何より大切。今回の講評を参考に自分と改めて向き合い、最終発表に向けてさらにアイデアを突き詰めていってください」と、伊東さん。

「建築は『どのように実現するか』が、とても難しいところ。最初のアイデアのままだと思い通りにいかなくなることもたくさんあります。でも、そこが面白さであり、いいものづくりをする鍵になります。実際に作り上げることを想像して具体的に考えていきながら、自分のアイデアと向き合っていきましょう」と、大西さん。次に向けたエールが贈られました。

 

次回は、素材に触れ、実現のイメージを膨らませる見学会
講師の方々による様々な角度からの問いかけや他の生徒の作品を通じて、アイデアを深めていくための課題や新たなインスピレーションも生まれた中間発表。今後の授業では、モバイルハウスを実際に作り上げるための構造や素材を考えながら、アイデアをさらにブラッシュアップしていきます。次回は、カリモク家具のショールーム「Karimoku Commons Tokyo」での見学会を開催。実際の家具に触れながら、材料としての木材に注目し、木材の特徴やサステナビリティに関する取り組みについて学びます。

 

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