REPORT

「東京芸術中学」第51回 矢後直規さん


発表する課題は「ラフォーレの広告」
編集者・菅付雅信さんと15人の世界的クリエイターによるアートスクール『東京芸術中学』。10月23日の講師はラフォーレ原宿の広告やインビテーション、FINAL HOME on airのポスターなどを手掛け、デザイナー、アートディアレクターとして幅広く活躍している矢後直規さん。昨年度に続き矢後さん4度目となる今回の授業は、前回の講義回にて生徒たちに出された宿題「ラフォーレの広告を作る」の課題発表です。



生徒と矢後さんで重なる、クリエーションとの向き合い方
「みんなここまでできるんだ、ラフォーレってこんな多様な見え方がしていてるんだ。」

壁に張り出されたポスターを見た矢後さんの感想から授業がスタート。「ラフォーレが、今までのものを打ち壊してどんどん更新していくようなイメージを演出したくてコラージュにした。」、「コンセプトは『この足でまたラフォーレに行こう』です。」、「ラフォーレはファッションのトレンドの発信地の一つ。そもそも服を着るという行為が禁断の果実を食べることから始まったのかなと思い、アダムとイブにたどり着きました。そこから想像を膨らませて作りました。」生徒一人ひとりが、課題を制作していく中で、どのようにラフォーレを捉えてイメージを膨らませ、作品に落とし込んだのか、矢後さんの質問に答えながら、説明していきます。最後には、矢後さん、菅付さん、そしてラフォーレの長濱さんから、それぞれが特に感動した作品を選んでいただき、発表は終了しました。


「楽しい」表現を社会と接続するために
「自分の作品を世に出すためには、表現として飛ばした部分と、社会とを接続することを説明する言葉が必要。」
「デザインする中で様々なバリエーションがイメージをつくることや、どんなスケール感でも成立していることが大切なんです。」
「これからいろいろな角度から踏み込んで作品を作っていく中で、アイディアの引き出しを増やすこと、また、今あるものを生かしながら発展させていくことも大切」
「それぞれが、自分の壁を乗り越えることで、すごい成長がある。この経験を大切にしてほしい。」。

そんな矢後さんからのプロとしてのアドバイスやコメントに、それぞれが真剣に聞き入っていました。


クリエーションの原点と新たな道筋
「びっくりする、悔しい、勉強になる。去年と比べてちゃんと成長している。」

生徒たちの昨年からの成長に驚いていた矢後さん。発表の終わりに、矢後さんから「作っていて楽しかった?」と問われた生徒たちが、全員「楽しかった!」と返答した様子を見て、前回、ご自身のクリエーションを熱量を持って語ってくれたの矢後さんの姿に重なるように感じました。
生徒たちが、クリエイターとして、「楽しい」、「熱中できる」、「手を動かす」という原点を忘れず、今までとはまた違った視点も交えながら課題を捉え、次のステップに踏み出していってくれれば嬉しいです!

東京芸術中学クラスページはこちら