REPORT

「東京芸術中学(第3期)」第16回 小林エリカさん(前半)


編集者・菅付雅信さんと13人の世界的クリエイターによる『東京芸術中学』。9月30日は、作家の小林エリカさんによる第一回目の授業。小林さんが参加する合同展「子どもと不条理:それでも世界は生きるに値する 第Ⅰ期『子どもと戦争』」会場の聖心女子大学にて開講しました。

自分の父と同い年であるアンネの日記を並べた自身の映像作品を見ながら解説し、ユダヤ人であることを理由にナチスに殺されたアンネと、日本人であり飛行機工場で働きナチスの蛮行に加担したとも言える父は、小林さんにとってはどちらも大切な存在。この関係が受け入れがたく、両者の同じ日に書いた日記を読みながら、アンネの生涯を辿る旅にでたそうです。

「私の希望は死んでも生きること」というアンネの言葉を読んで、作品を作ること、文章を書くことを決意した小林さん。「アートは戦争や暴力に勝てる?」「アーティストとしての責任とは?」「小林さんが納得いかないことは?」など生徒の皆さんから小林さんには沢山の質問がありました。「受け入れがたいもの、納得いかないもの、知りたいものを追求することがアーティスト」と、小林さんのクリエーションを裏付けする言葉が印象的でした。

授業の最後には、「誰かが書いた日記と同じ日に自分も日記を書いてみる」という課題が出ました。日記を探すところからはじめ、筆者と自分の人生を重ね合い、そこから浮かび上がった感情を綴ることが求められました。





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