REPORT

「CO-CURATING」第9回 テキストワーク(キャプション②)


出展を依頼したい作品を題材にキャプションを作成する
「CO-CURATING」はキュレーターの髙木遊さんと岩田智哉さんによる、キュレーションをテーマとしたクラス。アーティストの方々とも交流を重ねながら、全11回の授業を通して生徒全員で企画展を作り上げていきます。

キャプションのあり方を学び、実際に手を動かしていった前回。それを踏まえて生徒の皆さんに宿題として提示されたのは、企画展に出展いただきたいアーティストの作品について200字程度のキャプションを書いてくること。8月27日(日)の第9回では、それぞれが書いてきたキャプションを読み合いながら、ブラッシュアップを進めていきます。また、授業外の時間では、出展を依頼しているアーティストの方々との直接のやりとりも始まりつつあり、いよいよ企画展の準備が本格化していきます。

 


作品ごとに異なる「キャプションのあるべき姿」を吟味する
そもそもキャプションの存在は奥が深いもの。さらには、アーティストへの思い入れが強くあることも手伝って、書き進めていくのにはとても時間がかかります。だからこそ、その作業にそれぞれが向き合っていきながら、授業の中でもみんなでじっくりその時間を大切にしていきます。

「大事にしたいことが多すぎる!でもダラダラ書いてしまっては伝わらない気がする。どうやってまとめていけばいいだろう」「『作品について多くを語りたくない』というアーティストの方の作品。かといって、キャプションを置かないということが正解かというと、それも安直な気がする。どんな言葉を添えることが適切なのだろうか」「アーティストの方の話を聞いて、日本画という分野の魅力を強く感じたし、それを知ることで作品の魅力もより感じられた。作品そのものだけではなく、その分野そのものについてももう少し調べて書いてみたい」と、生徒の皆さん。

それぞれの生徒が、それぞれ別の作品に向けて言葉を綴っていきつつ、苦戦しているポイントをシェアしたり、フィードバックを贈り合ったりと、一つの企画展を作り上げていくチームとして助け合いながら、少しずつ言葉を磨いていきました。

 


アーティストの方々とコミュニケーションを重ねていく
授業外の時間では、出展を依頼しているアーティストの方々とのコミュニケーションも進んでいきます。

例えば、活動や作品についてのインタビュー。これまでリサーチや考察を重ねてきたからこそ、聞きたいことが山ほどあります。自分の素直な想いをぶつけつつアーティストの方の生の言葉を聞くことで、展示企画を深めたり、キャプションを書き進めていくための参考にしていきます。例えば、アーティストの方とともに行う展示会場の現地視察。自分が思い描いている展示企画や出展いただきたい作品を伝え、フィードバックを直接頂きます。そもそもこの企画展示で実現したかった世界観や方向性のイメージがより磨かれていくことに伴い、生徒のみなさんは企画のイメージを表す言葉を手にしていく様子です。

まさに「自分の好きなアーティストの隣で並走できること、作品を通して新しい世界に触れることがとにかく楽しい」という初回授業での髙木さんの言葉を体感していくようでした。

 


次回は、展示プランの検討を進める
次回の授業では、作品展示プランの検討を進めていきます。生徒の皆さんそれぞれがこれまで考えてきた展示企画と、担当するアーティストの方と進めているやりとりとを照らし合わせながら、展示空間のあり方を具体的に構想していきます。

 

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