REPORT

「Beyond the Music」第1回 井上幹さん、矢田部浩平さん

「Beyond the Music」は、音楽を通じて、言語、文化、歴史、物理、民族、テクノロジーといった、他の領域への学びを深めていくクラス。WONK/millennium paradeキーボーディストの江﨑文武さんが総合ディレクターを務め、授業ごとに様々なジャンルの方をゲスト講師に迎えます。

2020年11月29日(日)に開催された第1回授業のテーマは『音響と物理』。ゲスト講師はWONKでベーシストを務める傍らミキシング/マスタリングエンジニアとしても活躍する井上幹さんです。ご自身の創作の経験からも、表現としての音楽という側面だけでなく、その背景にある数学や物理の世界にも注目してもらいたいという想いからのこの授業。音響を専門とする博士の矢田部浩平さん(早稲田大学表現工学科・講師)も登場です。

井上さんが今回の授業のために作曲された(!)という作品を披露してくれたり、そんな作曲で使用されているアプリケーションやシンセサイザーのツールを実際に触らせてくれたり。そんな進行と掛け合わせていくように、矢田部さんが黒板にいろんな数式を書き出していきながら、数学的なアプローチで解説を加えていきます。「音というのは波でね、、、微分積分というのはね、サインコサインというのはね、、、純粋関数っていうのは本当にピュアぽいでしょ、ほらこんなふうに、、、。高校生で習う数学っていうのはこういうふうに使えるんだよね。」「じゃあ、今の数式を音として実際に聞いてみましょう、その数式の変化も耳で味わってみましょう。」なんだか奥深い世界の入り口に立っている感覚が広がります。

「ギターをやっているんですが、ワウっていう効果はどういう仕組みですか?」「Spotifyなどの楽曲からのボーカルの音を抜くカラオケ機能はどうなっているんですか?」など、参加者の皆さんからの質問も本格的。そんな質問にもひとつひとつ丁寧に応答しながらの授業でした。

「今日のお話みたいに、ものごとを細かく要素に分けてみること。そうすれば、世界全体もくっきりと見えてくる。それに、数学の公式のように、抽象的に考えてみること。そうすると、いろんなことに応用できたりしますよね。(事務局の意訳です)」と、総合ディレクターの江﨑さんからの今日の授業を振り返る言葉も印象的でした。

 

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