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「新しい演劇のつくり方(第2期)」第14回 演出・演技(稽古④)


演じながら考え続ける
「新しい演劇のつくり方」は昨年度に続いて開講となる演劇のクラス。今年度は演劇カンパニー「チェルフィッチュ」を主宰し、このクラスの総合ディレクターを務める岡田利規さんによる『三月の5日間』を原作とし、中高生である生徒の皆さんが新たな演劇作品を戯曲からつくっていきます。

6月25日(日)の第14回は、これまでの授業で磨いてきた演出案を通し稽古で実践。公演が近づいていくなかで上演のイメージをより掴みつつ、自分たちがこだわりたいところを抽出していきます。



演劇という特別な場所
授業以外の時間でも生徒のみなさんは自主的に集まって自主練を繰り返してきました。観客を招いての上演の開催日が近づいてくると残り時間を惜しむように、積極的にその集まりが行われます。今回の授業前の時間もそのひとつ。何度も試行錯誤を重ね、そして今もなお検討を重ね続けている各シーンの流れについて話し合っていくうちに、生徒の皆さんからは、今演劇に対して感じている想いが溢れていきます。そして、それがこの作品において大切にすべきこととして、その輪郭が明らかになっていく感覚がありました。

「舞台上なら自分の言いたいことを言えている気がする」「どうしようもなさを受け入れられる場所」「今の自分たちを伝えたいから演劇が必要」。自分たちが演劇と向き合うその理由を今一度振り返ってから稽古に臨んでいきます。



発想を具体的に起こしていくということ
今回の稽古では、具体的な上演のイメージを掴むため、脚本を最初から最後まで実際に演じてみる通し稽古に挑戦。とはいっても、気になったことがあれば、演技を止めて、演出案をもう一度検討し直したり、それぞれの演じ手の立ち居振る舞いをアドバイスしたり。試行錯誤は今回も続いていきます。

そして、アイデアを実現するためには、具体的な手続きや段取りを計画していく手腕も問われていきます。「電気はいつ誰がつける?」「音楽をかけるのはだれ?どのタイミング?」など、演出を突き詰めていきました。


活発化する自主稽古
演劇へのそれぞれの想いにもう一度触れた上で稽古に臨んだ今回。生徒の皆さん一人一人の表情に迫力が感じられたように思います。
今回生まれた進展を振り返ったり、まとめたり、より話し合ったり。授業が終わった後も、生徒の皆さんによる自主稽古は続いていきました。

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