intimacy lessons forum「都市で、インティマシーを考えるということ」を開催します

はじめに
「いとおしさ/intimacy」をキーワードに、10代と共に都市文化を考えるフォーラムを開催します。
なぜ、インティマシーか。肌に触れる装い、身体に取り込む食、身を置く都市。わたしたちは、それらへの「いとおしさ」を感じることができているか、という課題意識があるからです。また、「いとおしさ」を感じることができている状態が良い社会の定義であるようにも考えられるはずだからです。
10代のクリエーションの学び舎「GAKU」では、リジェネラティブな都市の実現を目指す三菱地所株式会社の協賛のもと、様々な社会課題に直面する都市や社会のあるべき姿を10代とともに探求するプロジェクト「Yurakucho Earth Summit(YES)」を2024年度より実施しています。その第2期として今年度は、哲学者の鞍田崇が提唱する「いとおしさ/intimacy」をテーマに、「ファッション」「食」「都市」の3つのクリエーション領域での10代向けワークショッププログラムを、2025年9月からおよそ半年間にわたり開講してきました。
2026年2月14日(土) には、それらの探求やクリエーションの成果を多くの方々と分かち合うことを趣旨に、「10代と共に都市文化を考えるフォーラム『都市で、インティマシーを考えるということ』」を開催します。活動の中での学びや気づきを実際の都市に向けた議論に接続させていくことで、本活動の実践を深めつつ、一般社会に広く訴求していくことを目指します。本機会が、これからのあるべき都市や社会のあり方を拓く一助になれば幸いです。
開催概要
日程:2026年2月14日(土)
時間:13:00〜20:00 *12:30オープン
会場:SAAI Wonder Working Community(東京都千代田区丸の内3丁目3−1 新東京ビル1F)
対象:どなたでも
定員:30名程度(先着順/事前予約優先)
参加費(軽飲食付き):[一般]2000円[25歳以下]1000円[中学生以下]無料
*入退場自由(プログラムへの単発参加・終日参加共に同じ料金です)
*当日現金でのお支払いをお願いします
登壇:「いきつけ都市論」「ナラティブとしてのファッション」「関係美食論」受講生、鞍田崇(哲学者/「いきつけ都市論」講師)、八木華(ドレスデザイナー/「ナラティブとしてのファッション」講師)、吉江俊(都市計画研究者/東京大学大学院工学系研究科 講師)、山中知博(株式会社TOMOS company 取締役/TERAS 商品企画・営業)、岡田弘太郎(WIRED Regenerative Company Labディレクター)、武田悠太(GAKUファウンダー/ログズ株式会社 代表取締役)、熊井晃史(GAKU事務局長)、杉田聖司(GAKU事務局)
[主催]GAKU [協賛]三菱地所株式会社
「intimacy lessons」について

肌に触れる装い、身体に取り込む食、身を置く都市。わたしたちは、それらへのいとおしさを感じることができているでしょうか?そこにいとおしさを感じたいという気持ち。それらを考えることは、一体何を見出すことになるのでしょうか?
「民藝のインティマシー:『いとをしさ』をデザインする」を著した哲学者の鞍田崇は、インティマシーを「いとおしさ」ととらえ、「古語において『いとほし』を漢字で表記をする際に、愛情の『愛』ではなく、労働の『労』の字をあてている事例がある」ということに着目していました。労(ねぎら)う。労(いたわ)る。鞍田は、生病老死をも肯定し「その生涯に寄せられる慈しみの情愛」こそを、いとおしさと言います。
社会に応答しながらも、折り合いをつけるというよりも、社会そのものを前進させる。地球環境の限界と言われるプラネタリー・バウンダリーの時代において、矛盾を常に孕むことになるクリエーションに向き合うことで、クリエーションや生を肯定し直す(「Yurakucho Earth Summit」の略字であるYESには、ジレンマの肯定という意味合いが掛けられていました)。雲を掴むような話ではありますが、向かうべき方向感覚はそのように掴んでいます。
YESの第2期となる「intimacy lessons」。「ナラティブとしてのファッション」「関係美食論」「いきつけ都市論」の3つのクラスにより構成され、それぞれの探求やクリエーションの成果は小冊子にまとめていく予定です。
3つのクラスについて

【衣】ナラティブとしてのファッション
装いを、「物語を着ている」という視点により探求
講師:山縣良和(writtenafterwardsデザイナー/ coconogacco代表/GAKUディレクター)、向千鶴(編集者)、八木華(ドレスデザイナー)
https://gaku.school/class/fashionasnarrative/

【食】関係美食論
食を、「関係を食べている」という視点により探求
講師:丹野 貴士(nôlシェフ)、野田達也(シェフ・nôlディレクター)
https://gaku.school/class/kankei-gastronomy/

【住】いきつけ都市論
都市を、「いきつけ」という視点により探求
講師:鞍田崇(哲学者/明治大学理工学部 准教授)、熊井晃史(GAKU事務局長)、阿久根聡子(編集者)
https://gaku.school/class/ikitsuke-city/
プログラム
intimacy lessons成果発表
「intimacy lessons」受講生がそれぞれの作品や探求の成果を発表しつつ、一連の活動を振り返ります。
話し手:「いきつけ都市論」「fashion as narrative」「関係美食論」受講生
聞き手:鞍田崇(哲学者) 、GAKU事務局一同
ものづくりをどのように肯定するか?
ものそのものにいとおしさを感じるとき、その背景にあるものがたりにいとおしさを感じる。intimacy lessonsを通したそのような発見を起点に、日本の寒冷地域で伝統的に継承されてきた「襤褸」と向き合うつくり手とのトークを開催します。大量生産大量消費時代におけるファッション産業において、あるべき「ものづくり」とはどのようなものか。「いとおしさ/intimacy」をキーワードに、そのあり方を探っていきます。
話し手:八木華(ドレスデザイナー)、山中知博(株式会社TOMOS company 取締役/TERAS 商品企画・営業)
聞き手:熊井晃史(GAKU事務局長)、杉田聖司(GAKU事務局)
「迂回」と「いとおしさ」の練習場としての都市
都市計画研究者の吉江俊氏の提唱する「<迂回する経済>の都市論」では、経済価値に「直進」するように形作られてきた現代都市に対し、「迂回」しながら進むことの可能性が提示されています。結論のみではなく、そこに向かうプロセスそのものが意味や可能性を帯びていくということ。それは、鞍田氏が提唱する「いとおしさ/intimacy」という視点を都市で見出していく上でも非常に多くの示唆がありますが、都市計画において、そのようなことを考えていくのはいかに可能なのでしょうか。本トークでは吉江氏と鞍田氏にお話を伺いながら、「迂回」と「いとおしさ」の練習場としての都市の可能性を捉えていきます。
話し手:吉江俊(都市計画研究者/東京大学大学院工学系研究科 講師)、鞍田崇(哲学者)、武田悠太(GAKUファウンダー)
聞き手:岡田弘太郎(WIRED Regenerative Company Lab)
タイムテーブル
12:30〜 open
13:00〜13:15 オープニングトーク(登壇:鞍田崇、熊井晃史)
13:15〜15:30 intimacy lessons成果発表
15:30〜16:00 立食懇親タイム
16:00〜17:00 ものづくりをどのように肯定するか?
17:00〜17:30 立食懇親タイム
17:30〜18:30 「迂回」と「いとおしさ」の練習場としての都市
18:30〜19:00 クロージングトーク(登壇:鞍田崇、熊井晃史)
〜20:00 close
*当日の状況によってプログラム開始が前後する可能性がございます。予めご了承ください。
プロフィール

鞍田崇(哲学者/明治大学理工学部 准教授)
1970年兵庫県生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科修了。現在、明治大学理工学部准教授。近年は、ローカルスタンダードとインティマシーという視点から、現代社会の思想状況を問う。著作に『民藝のインティマシー「いとおしさ」をデザインする』(明治大学出版会2015)など。

八木華(ドレスデザイナー)
1999年東京都生まれ。都立総合芸術高校卒業後、「ここのがっこう」で学ぶ。2019年に欧州最大のファッションコンペ「International Talent Support」ファッション部門に最年少の19歳でノミネート。現在は、妹と組んで映像制作にも取り組んでいる。

吉江俊(都市計画研究者/東京大学大学院工学系研究科 講師)
早稲田大学創造理工学部建築学科・同大学院修士課程を卒業。2019年に博士(工学)取得、同年より建築学科講師を務める。地方農山村のコミュニティ計画から、早稲田大学キャンパスマスタープラン作成、展覧会「吉阪隆正展(東京都現代美術館)」企画監修、民間企業との共同研究まで広く取り組む。2025年より現職。著書に『住宅をめぐる〈欲望〉の都市論』(2023)、『〈迂回する経済〉の都市論』(2024)など。

山中知博(株式会社TOMOS company 取締役/TERAS 商品企画・営業)
株式会社TOMOS companyにて取締役を務め、 就労継続支援A型1事業所、B型2事業所の運営に関わる。 各事業所におけるものづくりの事業として、 刺し子ブランド「TERAS」を立ち上げ、 商品企画および営業を担当。襤褸や刺し子、藍染といった伝統的な素材や技法を、 現代の暮らしに寄り添う形で再解釈し、 企画・商品開発から販売、展示企画まで一貫して携わっている。就労継続支援の現場において、 「福祉 × クリエイティブ」を事業理念に、 さまざまな分野の人が関わり合える現場づくりを実践。 国内外でのPOP UPや展示を通じて、 障害福祉や手仕事の背景にある物語や価値を伝えている。

TERAS(刺し子ブランド)
TERAS(テラス)は、就労継続支援事業所で誕生した、 福祉・工芸・ライフスタイルを横断するモノづくりブランドです。刺し子やBOROといった日本の伝統技法をもとに、 さまざまな障がいのある方と共に新しい表現を生み出しています。TERASという名前には、「製作に関わる人」「手に取ってくださる人」 双方のこれからを静かに照らす存在でありたいという願いが込められています。ものづくりを通して生まれるつながりや気づきを大切に、 私たちは、福祉の現場から新しい価値と美しさを世界へ発信しています。

岡田弘太郎(WIRED Regenerative Company Lab ディレクター)
WIRED Regenerative Company Labディレクター。『WIRED』日本版エディターとして、雑誌VOL.49「THE REGENERATIVE COMPANY 未来をつくる会社」やVOL.54「The Regenerative City 未来の都市は、何を再生するのか」の責任編集を務める。そのほか、一般社団法人デサイロ代表理事。一般社団法人B-Side Incubator代表理事。クリエイティブ集団「PARTY」パートナー。1994年東京生まれ。慶應義塾大学にてサービスデザインを専攻。
イベントに関するお問い合わせ
info@gaku.school
担当:GAKU事務局 佐藤海