REPORT

「EDIT CITY 都市の探検と編集」第12回 自らの手で本を届ける

つくって終わりにしない本づくり
「EDIT CITY 都市の探検と編集」は編集のクラス。講師を務めるのは、編集者の山若マサヤさんです。紙媒体を作り上げることの可能性や、街を面白がる様々な視点を学んでいきながら、全12回の授業を通して生徒一人一人が都市を舞台にした本づくりに挑戦していきました。有楽町の街を舞台に、企画から取材撮影、執筆やデザイン案の作成といった紙面づくりの最初から最後までを生徒自身で行い、作り上げていった本がついに完成。1月14日(土)の授業最終回では、その刷り上がった本を実際に手にして完成を味わいながら、本作りに協力をしてくださった方々へのご報告のために街を巡りました。

 

街を舞台に生まれたクリエーションがその街に広がる
生徒の皆さんそれぞれが有楽町の街の中で自分なりのテーマを探り、街やそこで暮らす人たちと関わり合うことで作り上げられた今回の本。だからこそ最終回では、取材にご協力いただいたお店の方々へのお礼の気持ちを込めて、作り手である生徒自らの手で完成品をお渡ししていきました。その中でお店の方々からは、「なんだか気恥ずかしいけど嬉しい。常連さんに自慢しちゃおうかな」「他のお店の人ともこの本の話をしていて、完成を楽しみにしてたよ」といったあたたかい言葉もいただきました。さらに、お店の店頭に本をディスプレイや配架をさせて頂くことも叶いました。

協力を頂いた方々だけでなく、読み手の方々にも自分たちの手で届けていく体験をすべく、街なかでの配布も行いました。有楽町に訪れる様々な人たちに生徒それぞれが自分の紙面を説明したり、取材を通しての街での体験をお話ししたり。中にはショッピングに来たという方に街のおすすめスポットを紹介する場面も。「自分の作った本が他の誰かとの繋がりや新たな創作を生むきっかけになる」という山若さんの言葉を、生徒の皆さんそれぞれが実感していったようでした。

 

振り返って噛みしめる
本を配り歩いていった後には、有楽町での制作の拠点となった「SAAI」に戻ってささやかな懇親会。このクラスのゲスト講師である七咲友梨さんと野中モモさんも駆けつけてくださり、これまでの授業を振り返りつつ本の完成をみんなでお祝いする時間となりました。

「自分の作ったものが他の人にこんなにも喜んでもらえるなんて衝撃だった。取材先の人に自分の書いた文章を見せるのはとても怖かったし恥ずかしかったけど、完成した本を渡すことができてホッとした。頑張って良かった」「ずっとものづくりに興味があったけど、なかなか一歩を踏み出せなかった。今回自分の作ったものが世に出て、いろんなクリエイターの方々のお話を聞いて、もっと自分の好きなことをどんどんやってもいいんだと思えて自信になった」など、たのしい雰囲気の中で、生徒の皆さんからはものづくりに対する率直で切実な感想も語られました。

メイン講師として生徒の皆さんに寄り添い、制作を並走してくれた山若さんからは、「完成してみて、『もっとこうすればよかった』と思う気持ちがもしかしたら湧いてくるかもしれない。僕もいつもそうです。でもそれは、作った時よりもみんながパワーアップしているという証拠。次に作るときには、今回よりもっと色々なことが見えたり、わかるようになったりしているはず。ぜひ作り続けてほしいです」というコメントも。生徒の皆さんの今後の創作の糧になるようなエールの言葉で、授業が締めくくられました。生徒の皆さん、先生方、半年間本当にお疲れ様でした。

 

有楽町の街やGAKUで無料配布中
今回の授業を通して生徒の皆さんによって作り上げられた本は、取材先のお店をはじめとする有楽町の街の様々な場所やGAKUスペースにて無料配布中です。近くにお立ち寄りの際は、ぜひ手にとってみてください。

 

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*なくなり次第終了となります。
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