REPORT

「この町を大事に思えるキオスク」第8回 現地で実際にイメージしてみよう

フィールドワークでアイデアの精度をあげる
「この町を大事に思えるキオスク」は、世界的建築家・伊東豊雄さんが主催する建築塾「伊東建築塾」による建築のクラス。講師には、PERSIMMON HILLS architectsの廣岡周平さんとKASAの佐藤敬さんをお招きし、11回の授業を通じて実際に暮らしのなかにある売店「キオスク」のアイデアを実現していくことを目指します。

1月15日に開講された第8回の授業は、創作の舞台となる渋谷川沿いでの2回目のフィールドワーク。頭のなかにあるアイデアをスケッチや模型として表現してきたこれまでの授業。今回は、現地に身を置くことで、キオスクが実際に敷地の中で展開される様子を具体的に思い描きながら、アイデアを磨いていきました。

 

それができたときのことを、どれだけ徹底して想像できるか
色、形、大きさ、材質など。それらのあり方ひとつで、現れるものやその空間での過ごし方は変わっていきます。だからこそ建築を考える上では、自由に発想を広げることとともに、実現した姿を具体的に思い描いていくことも求められます。とはいえ、それらをイメージすることはそう簡単なことではありません。そこで、今回のフィールドワークでは、そのための工夫が重要です。ダンボール、ビニールのロール、発泡スチロールの棒、マスキングテープ、チョーク。様々なツールを用意して、アイデアが実現した際の大きさ、高さ、感じ方、現地の風景との相性など、あらゆる角度から検証をしていきました。

 

アイデアを磨いていくときに必要なこと
フィールドワークを終えた後には、それぞれの考察を共有する機会が持たれます。講師のお二人からは、最終発表会に向けてアイデアを磨いていく際のポイントが語られました。

「これまで一生懸命考えてきたアイデアだからこそ、愛着が湧きすぎてしまうこともあるけど、違うと思ったらばっさり捨てる勇気を持とう。敷地で純粋に感じたものを大切にしてほしい。これまで積み上げてきたものがあるからこそ、崩してもまた積み上げられるはず」と、佐藤さん。

「実際にその場所にキオスクを展開したら、街にどんな良い影響を与えられるだろうか。街の景色や人の営みはどのように変わるのか。キオスクのスケールや展開される敷地を確認するとともに、街やそこに訪れる人の視点にも立って改めて考えてみよう。そして、寸法もひとつのメッセージ。居心地がいいとか座りやすいとか、寸法に自分の感情を乗せることでアイデアの強度も増していくと思います」と、廣岡さん。

 

最終発表に向けて模型を仕上げていく
約1ヶ月後に控える最終発表会。次回の授業からは、生徒の皆さんそれぞれが模型のブラッシュアップを進めていきます。

 

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