REPORT

「我美と作美(第3期)」第10回 発表


「新しい美」を作品を通して伝える
「我美と作美」は、メイクアップを通して新たな「美しさ」を表現するクラス。昨年度に引き続き開講する今回も、様々なジャンルのクリエイターが生み出す「美しさ」に触れながら学びつつ、10代の生徒の皆さんが、メイクアップを通して、これからの時代の美意識を自ら生み出していきます。

2月7日(水)の第10回は、最終課題「新しい美しさ」をテーマにした作品の発表。GAKUディレクターでもあるファッションデザイナーの山縣さんをはじめ、ゲスト講師の皆さんをお迎え。言葉にしづらい感性を大切にしてきた一方で、伝えていくために言葉を尽くすことも大切にして、12人の生徒の皆さんがプレゼンテーションを行いました。







揺らいだからこそ、揺らがない原点が明らかになる
会場のGAKUにはそれぞれがメイクアップを施して撮影した写真を展示。今まで気づかなかった自分の深いところにあった美意識、講師や生徒同志の対話の中で新たに広がっていった美意識、それらを言葉にも換えて、それぞれの写真作品に込められた「新しい美しさ」のコンセプトを発表していきます。

「自分のカメラフォルダにたくさんあった、たくさんの光の写真。それを美しく感じることができているのは、その一方に闇があるから。その闇も肯定したい気持ちでつくりました」「多くの人は気持ち悪いと感じるものでも、自分は美しいと感じるもの。その一つとして毒を持つ動物や植物の色味を参考に、自分にしかできない表現に挑戦しました」「授業を通じて自分の美しさの固定概念が崩れ落ちた。もう一度自分にとっての美しさを考えるきっかけになった。もう一度スタートを切る今の自分をほつれる毛糸で表現しています」

歴史的な美の多様性。現代の社会に既にある美の多様性。授業を通して、それぞれの美の価値観が揺らぐシーンが多々あったからこそ、それぞれが自分自身の中にある美意識の原点を見出して確かめていくような時間であったことが語られます。



世代や立場を超えて、創作を通して交流する
世代や立場を超えた交流として、資生堂の社員の方も一緒に授業に臨んでいただいた今回。初回授業から生徒の皆さんとともに授業に取り組んできた4名の方々からも発表が行われます。普段は化粧品の開発や広報を行っているという皆さん。普段触れ合わない大人と創作の場で交流する機会が、10代にとっても新鮮であったようです。



教える方も教わるし、愉しい
「皆さんの作品に惹きつけられました。『どうしたらこのような表現になったんだろう?』という疑問と共に。すぐには理解できないからこそ、それは『新しい美しさ』なんだと思います」と、初回講師の山縣さん。「非常に興味深い発表でした。まさに美しさが更新されているのを実感できる現場でした」と、第2回講師の久保さん。「皆さんから気付かされることばかりの時間で、とても幸せでした。いつか皆さんと一緒に作品を作りたいです!」と、第3回講師のPUMPの皆さん。

メイン講師の計良さんからは、「授業が進んでいくたびに、皆さん自身の美の価値観がどんどんと豊かに変化していっていた。その成果として生まれた作品は、見たことのない美しさで溢れていました。これからの皆さんのクリエーションがとても楽しみです!」と最後にコメントが贈られました。


資生堂の複合施設で作品展示へ

GAKUでは、10代のクリエーションを広く社会に発信する活動を展開していきたいと考えています。そこで、「我美作美」の授業は今回で終了となりますが、写真作品を資生堂の研究所が併設された複合施設「S/PARK」での展示を予定しています。展示の詳細はこちらからご覧いただけますので、ぜひ足をお運びください。

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