REPORT

「Town Play Studies」第7回 渋谷PARCO見学会

「Town Play Studies(以下、TPS)」は都市と建築のクラス。建築家の海法圭さん、川勝真一さん、津川恵理さんと、東京理科大学理工学部建築学科西田研究室の学生の皆さんとともに、「“遊び”という身体的なコミュニケーションを使って、いかに主体的・創造的に都市にアクセスしていくか。」そんなテーマのもと、都市計画や建築デザインについての考察を深めていきます。GAKUを拠点にしながらも、渋谷の街全てが活動の舞台です。 2020年12月15日の第7回の授業で、PARCOさんや竹中工務店さんのご協力のもと、渋谷PARCOの裏側をリサーチしていく見学会を実施しました。(以前の渋谷PARCO一階での遊びをつくる授業の様子はこちらをご覧ください)

そもそも建物をつくる時は何から考えるんだろう?建物と街との関係はどのようなものなんだろう?そこでは何が大切にされているんだろう?見学の際にそれぞれの気になる視点を育むためにも、実際に渋谷PARCOの建物の建設を行なった竹中工務店の設計担当・垣谷伸彦さんがお話をしてくれます。

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これからの未来を拓いていく輝く若者が集まる場所としての「原石の集積」という原点があること。PARCOという言葉がそもそもイタリア語で広場という意味があるように、人が集うことで時間や空間を共有する空間であること。また、そんな空間が街との繋がりで生まれていくこと。それらの大切にしていることから、デザインも生まれていっていること。そんな背景やストリーをお聞きしていくと、自ずと、PARCOの建築的な工夫やまちづくりとしての視点などが実感されて、日々なんとなく感じていたことが解き明かされていくようです。建物の中の通路も立体的な坂のような感じだな、スペイン坂の延長のようにも感じられるな、ゴツゴツとした変則的な多面体の印象や外観の白さも、確かに原石っぽいな、とそれぞれと感覚と説明が紐づかれていくようです。

そうなってくると、改めて現場をみたくなる、もっと裏側を知りたくなる。そんなわけで、渋谷PARCO内を見学へと向かいます。なんと普段入ることのできないスペースもPARCOスタッフの方にご案内いただいての特別体験です。

渋谷の街並みと接続している1階の「ナカシブ通り」、1階から10階の屋上広場を外階段でつなげている「立体街路」、駐車場・駐輪場から、電気室・空調機械室・地下受水槽といったビルの施設管理用のスペースまで。コンセプトがどのように表現されているか、大きな建物がどのように成り立っていて維持管理されているか、さまざまな工夫を実際に体感していきます。

立体街路を始めて歩いてちゃんと街と繋がっていることを感じることができておもしろかった。フロアによって天井の高さも質感もまちまちで、工夫がたくさんあることがわかった。大人数が訪れる続ける建物としてつくられた後の運営のリアリティも感じられた。 といったように、受講生の方々の観察眼も磨かれていきます。

TPSは、本日で今年の授業が終了。今までの授業を踏まえ、「遊び」を通して都市をどのように豊かにできるか、そこからどんな建築デザインが生まれていくのか。2月の発表会に向け、来年からもリサーチと実践を重ねていきます!

 

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