REPORT

「花あそ部」 第1回 宮永英之さん

「花あそ部」は花いけジャパンプロジェクトによる「いけばな」のクラス。ゴッホやベートーベン、シェイクスピアにガウディ。様々な芸術家になぞらえた授業を通して、花といういきものと向き合う「いけばな」の表現を学んでいきます。

第1回となる本日のテーマは「誰でもゴッホ 絵画をいける」。講師は、Flower Designerの宮永英之さんです。

「花をモチーフにした有名な作品の1つである、ゴッホの『ひまわり』という絵画。今日は、絵画から発想する花の世界をテーマに、実際に花を立体的に感じ、いけていくプロセスをみんなで体験していこうと思います。」(事務局の意訳です♩)はじめに、花いけジャパンプロジェクト代表理事を務める花美術家/いけばな草月流師範の日向雄一郎さんからのそんなお話から授業がスタート。そもそも、「Flower Designer」ってどんな職業だろう?まずは、ウェディングのお花のデザインや、植物を使った空間演出、さらにデモンストレーションとして即興で作品を作ることもあるという、講師・宮永さんの普段のお仕事や作品についてお話をお聞きしました。

その後は、いよいよはないけにチャレンジです!ゴッホがお客さんへの歓迎の意味を込めて描いたという「ひまわり」。世界には、ゴッホが描いたひまわりの作品は7点あり、そのうち、描かれているひまわりの本数も、作品によって異なります。今回は、まず練習を兼ねて3本の作品を、次に12本描かれている作品をそれぞれ絵画を模写するように、いけばなとして模倣していきました。思い思いの花器とお花を選んで、実際にお花をいける専用のハサミを使って。お花が自分の思うような向きを向いてくれなかったり、お花同士のバランスや茎の長さを調整するのに苦戦したり、実際にやってみるとなかなか難しい。「はないけ」を通していきものと向き合っていることに、手で触れながら実感するような感覚がありました。

お花をいけ終わったら、額縁を模した木枠の中に置いて、絵画のように写真を撮ってみます。それぞれゴッホの「ひまわり」をイメージしていけていますが、選んだ花器やそれぞれの見方によって、全く違った雰囲気の作品が出来上がりました。

実際にはないけを体験した後は、「ひまわり」というお花について学びます。タネを食べたり油を取ったり、お花を楽しむだけでなく、人との関わりがとても深い植物であるひまわり。そんなひまわりについて学びながら、「そもそも植物ってなぜ花が咲くと思う?」「植物ってどうやって子孫繁栄をしている?」宮永さんから生徒の皆さんにそんな問いかけも。「竹やアボカドは、実は人間が実や芽を食べることを利用して子孫を繁栄させている。植物は、人間が計り知れないような力強い生命の力を持っていて、人間が植物に教わることは実はとても沢山あるんです。花をいけることも同じ。生命をいけている、という感覚を大切にしてほしいと思います。」(事務局の意訳です♩)ひまわりを通して、植物と人、いきもの同士の関わりも見えてきます。

そんな宮永さんのお話の後は、「あなたのひまわりをいけてみよう」。次は模倣ではなく、それぞれがひまわりと季節の植物を使って自由にいけることに挑戦しました。植物をじっくり観察しながらゆっくりといけていく人、直感に従って豪快にいけていく人。それぞれのスタイルで黙々と花をいけていきます。額縁から飛び出していたり、花器の横に植物を添えていたり、中には持参した充電コードを飾っている人も!作品からなんとなく「その人らしさ」がにじみ出ているような感じがしました。

「皆さんの自由な作品は本当に素晴らしくて、自分も色々なことを学びました。今日いけたひまわりは持って帰って、ぜひお家でもいけてみてください。置いておくうちにだんだんお花が枯れていきますが、その美しい経過も味わってもらえたらと思います。自然から学ぶことはとても多いので、これからもそんな触れ合いを大切にしてもらえたら嬉しいです。」(事務局の意訳です♩)最後には宮永さんからのそんなお話をいただき、本日の授業は終了しました。

 

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