REPORT

「花あそ部2022」第1回 Pray


「節供」を捉えながら、季節の花をいける
「花あそ部」は花いけジャパンプロジェクトによるいけばなのクラス。花をいけることを自由に楽しみながら、「​​人はなぜ、花をいけるのか?」という問いに向き合い、花にまつわるクリエーションを体験していきます。

8月3日(水)には、第1回授業「Pray(祈り)」を開催しました。講師は、華道家の平間磨理夫さんです。授業の翌日である8月4日は旧暦の七夕の日。そもそも季節の節目を表す「節供(節句)」とはどのようなものなでしょうか。「祈り」と「節供」が重なるところにある花の在り方を捉えていきました。

 


「節供」にあてられた植物の意味や神話に触れる
季節の訪れを楽しむとともに、季節の節目に心や体を清め、整える「厄払い」の日でもある「節供」。まずは、現代にも残る「五節供」の成り立ちやそれと関わる植物に込められた意味を紐解いていきます。例えば、「七夕の節句」は稲の収穫前に着物を織り、身体や服装を清めて秋の豊作を祈るもの。「七夕の節供」の植物とされている笹竹は、丈夫で繁殖力が強く古来より縁起の良いものとされていることから、願い事を短冊に書き、吊るされるようになったのだとか。「節句にあてられた植物には、それぞれに意味や神話がある。ただ日程と植物を覚えるのではなく、それらも含めて捉えていくことで見え方も変わってくるはず。当たり前に受け取っている知識や情報の背景に目を向けていくこと。それは全ての物事において大切なことだと思います。僕もいつも意識しながら花と向き合っています」という言葉からは、平間さんのクリエーションに向かう姿勢も垣間見えます。

 


花それぞれの、一番美しい表情を捉える
後半では、実際に「七夕の節供」にちなみ、竹を器として7種類の季節の花をいけていきます。細長く不安定な器に苦戦する生徒の皆さんに対し、「細長い竹を器にいけるのは難しいし、なかなか思い通りにはいけられない。でも、いけばなはいきものを扱うので、そもそもうまくいかないものです」「それぞれの花が一番美しく見える表情や場所が必ずある。なんとなくいけたりするのではなく、それを探してみてください」と、平間さんからはこんな問いかけにも似たメッセージが贈られます。じっくりと花に向き合いながら、自分自身の感性を研ぎ澄ませていくなかで独特の緊張感が漂います。

完成したら、みんなでお披露目。同じ花や器を扱っていても、引き立たせたい花の姿や美しさを感じる部分はそれぞれです。「この茎のうねりが好き」「この花の表情が好き」「葉の連なりが好き」と、自分なりに捉えた花の魅力を活かしながらいけられた作品には、生徒自身の人となりも表れてくるようでした。

 


いけることで、場も、心も整う
「季節の植物に一人一人がしっかり向き合いながらいけてくれたことが嬉しかった。今日いけた花は持ち帰って、ぜひ家の空間に合わせていけてみてください。いけることで自分の心も整うし、場も整う。それが本来の節供らしい過ごし方なのではないかと思います」と、最後には平間さんからこんなコメントも。花をいけることを通して「節供」という日本の古来からの文化を体感していきながら、花をいけることそのものの意味も自然と浮かび上がっていくようでした。

 


次回は感謝の気持ちを花で表現する
次回の第2回授業のテーマは「Appreciate(感謝)」。講師は、Flower Designerの宮永英之さんです。大切な人を思い浮かべ、花に想いを込めながらブーケとして束ねていくことを通して、生徒一人一人が「感謝」という気持ちに向き合っていきます。

 

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