REPORT

「東京芸術中学」第63回 クリエーションの拡大①


「制限」をキーワードに、これからのクリエーションを考える
編集者・菅付雅信さんと15人の世界的クリエイターによる『東京芸術中学』。1月29日は、「クリエーションの拡大」と題された菅付さん自身による講義。今回はオミクロン株流行により、オンラインでの開催となりました。

収束をみせないコロナ禍における私たちになぞらえながら、「ヒップホップミュージック」や「ストリートアート」など、様々な制約の下で生まれたクリエーションに着目。これからのクリエーションのあり方を考えていきました。

お金も技術もないからこそ生まれるクリエーション
キャンバスを手に取れない人が街の壁をキャンバスに見立てて描く「グラフィティーアート」、絵画の専門教育を受けない人が雑誌や新聞を切り貼りして制作する「コラージュアート」、音楽を聴くためのターンテーブルを音楽を奏でるものとして扱った「ヒップホップミュージック」など。金銭や技術による制限があったことを捉えながら、それらを逆手にとったクリエーションの実例を見ていきます。授業の中で挙がった実例に通ずるものは、「身の回りにあるものを新しいものとして捉え直す」というつくり手たちの視点だと菅付さんは言います。

自分の中にもう1つの視点を持つこと
「お金や技術がないという制限の中で新たなクリエーションを生み出してきた。それは『お金や技術があればいいものをつくれる』という定説を覆す『クリエーションの拡大』と言えると思います。自分の中にいつもとは違う、もう1つの視点を持つこと。様々な制限の中でクリエーションに取り組むみんなにとっても大事なことだと思います」。菅付さんからは授業の締めくくりとしてこんなコメントをいただきました。


制限から生まれる新たなクリエーションの可能性
外出自粛をはじめ、これまでにない制限と共に生活する私たちにとって、自分の周りの身近なものを改めて見直すきっかけとなりました。すがつけさんの「クリエーションの拡大」の講義は次回以降も続いていきます。

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