REPORT

「CO-CURATING」第4回 コンセプトワーク


リサーチをしながら企画展の輪郭をつくっていく
「CO-CURATING」はキュレーターの髙木遊さんと岩田智哉さんによる、キュレーションをテーマとしたクラス。アーティストの方々とも交流を重ねながら、全11回の授業を通して生徒全員で企画展を作り上げていきます。

企画展を作り上げていくための「リサーチ」の方法を、生徒の皆さんそれぞれの「好きなアーティスト」を題材に実践することを通して学んでいった前回の授業。そこでのフィードバックを踏まえ生徒の皆さんに提示された課題は、「これから作り上げていく企画展のテーマを自分なりに解釈し、改めてリサーチをすること」。6月4日(日)の第4回では、その成果発表を行いました。

 


アーティストリサーチの発表会
発表では、生徒それぞれの「テーマ(詳しい内容は展示会の詳細が決定するまで非公開となります)への解釈」「そのテーマとアーティスや作品に対する考察」が語られます。

例えば、「モチーフをはっきり描かないことで鑑賞者に解釈を委ねて、作品を通して自分自身との対話を促しているように感じたから」「『始まり』と『終わり』をテーマとしたダンスのパフォーマンスが、生きることそのものの喜びや神秘性を示しているように感じたから」と、それぞれの「それがそうでなきゃいけない理由」が少しずつ表現されていきます。

 


リサーチから企画に仕立てていくということ
キュレーターとしてのリサーチの方法論を学んだ前回の授業を踏まえて、生徒それぞれの発表は、当初のリサーチから大きく飛躍し、その考察の深さには目を見張るものがありました。

その上で岩田さんからは、「作品と鑑賞者がどのように出会い、どのように関わり合うか、そこから何を得るか。ある意味で言うと、エデュケーションとしてのキュレーションのあり方も考える必要がある」「説明できることも大事だけど、言葉にできないことも大事。それが作品へのリスペクトでもある」と、リサーチから展示会へと仕立てていくためのプロセスやポイント、さらには、言葉にしていくことの大切さと同時に、言葉にできないものも大切にしていくという、キュレーターとしての心構えが確認されました。今後の企画展への準備に向けて、押さえておくべきことが少しずつクリアになっていくようでした。


次は、具体的なイメージを浮かべながら「レター」をつくる
個々のリサーチ結果や考察を共有し合いながら、これから作り上げていく企画展のイメージも少しずつ膨らんでいった今回。次回の授業からは、企画展の制作に向けた具体的なアクションに移っていきます。それぞれがリサーチをしたアーティストとどういう形で一緒に企画展を作っていきたいのか。それをどのような言葉で表したら、アーティストの方に伝えることができるだろうか。企画展の具体的な内容を想像しながら、生徒一人ひとりがアーティストの方へ向けた「レター(企画展への参加の依頼文書)」の作成を進めていきます。

 

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