REPORT

越境文学サロン 第7回

「越境文学」をテーマに執筆に挑戦
文学の越境性や私達自身の越境性に着目し、読書体験を深め広めていくことを目指すクラス「越境文学サロン」。 ターム4となる第7回、8回目の授業では、冊子作りに向け各々で執筆を進めます。「越境性」と「文学」に着目し、約半年間続けてきた本クラス。最終アウトプットとなる冊子には、生徒それぞれが執筆した詩と文章が掲載されます。この日のクラスでは、ディスカッションを交えた後、執筆を進めていきました。

自分にとって「文学」とはなにか
執筆に入る前に、まずは「文学」について皆で話し合いました。2冊の課題図書を読みこむことを通して、文学に触れてきた生徒の皆さん。参加者のなかには、これまで読書や言葉に苦手意識を抱えていたものの、本クラスを通してその感覚と向き合い、乗り越えようと挑戦してくれた生徒も。

「文字で表現することは、視覚的なメディアとは違う心の働きをもたらすことができる。文学は文法や言葉選びなど、論理が必ず存在する」と話した生徒や、それに呼応するように「文字を辿って心の底の奥に辿り着く感覚がある。普通の時間の流れで処理してきた感覚とは異なり、紙に向かうことで心の奥に眠る感覚を引っ張り出し色んな角度から観察し、しっくりくるものを見つけるという作業を繰り返すことで、自分の内面の解像度が上がるのではないかと感じた。自分の感覚を大切にできるようになった」と語る生徒も。それぞれの言葉に耳を傾け、共感したり、自分の意見を共有したり、活発な対話が繰り広げられました。

自分にとっての「越境性」とはなにか
さらに、自らに宿る「越境性」についても考えます。「自分が受け入れられていないという感覚を乗り越えること」「外国に行ったことがないので外に飛び出したいと思う気持ち」「自分自身のコンフォートゾーン(安心できるエリア)から意図的に脱すること。足を踏み入れたことがない世界に飛び込むこと」など、様々な感覚が持ち寄られました。生徒の中には、日本と外国の出身であるご両親を持つことでアイデンティティや拠り所に悩む生徒や、海外に足を踏み入れたことがないとこをコンプレックスに感じている生徒、周りとのコミュニケーションや関わりに悩む生徒など、それぞれが抱える立場は様々です。まずは、自分と向き合い、どのような「越境性」や「文学」をテーマに据えるのか考える機会となったこの日の授業。次回までに、執筆を進めてくることが課題となりました。

 

執筆・撮影:松村ひなた