REPORT

「Beyond the Music」第2回 額田大志さん

「Beyond the Music」は、音楽を通じて、言語、文化、歴史、物理、民族、テクノロジーといった、他の領域への学びを深めていくクラス。WONK/millennium paradeキーボーディストの江﨑文武さんが総合ディレクターを務め、授業ごとに様々なジャンルの方をゲスト講師に迎えます。

2021年2月22日(火)は、「Beyond the Music」の第2回授業を開講しました。今回のテーマは「音楽とことば」。ゲスト講師は作曲家/演出家の額田大志さんです。東京藝術大学在籍時に結成した8人組バンド『東京塩麹』としてFUJI ROCK FESTIVAL’18に出演するほか、演劇カンパニー『ヌトミック』を主宰するなど、音楽に加え、演劇の世界でも活躍されています。

今回は、先生も生徒も絨毯に座っての授業。まずはじめに、額田さんからクイズです。「この音は音楽だと思いますか?」その後、聴こえてきたのは石を石で叩いた音。「打楽器みたいだったから音楽だと思う!」「この音を僕自身楽しめなかったから、音楽じゃないと思うな。」生徒の皆さんの答えは様々。額田さんご自身、このクイズには答えがなく、音楽の定義はとても曖昧であると言います。でも、これまでの歴史の中には、石の音を音楽として発表した作曲家も実際にいるそう。「石の音を音楽と言ったのはなんでだろう?いつ頃だろう?そもそも音楽ってなんなんだろう?」そんな額田さんの問いかけのもと、これまでの音楽の歴史を、音楽を含む世界全体の歴史とともに辿っていきました。

そして、実際に生徒の皆さんも石を使って演奏することに!ランダムにグループを分け、発表を行いました。石同士を規則的にぶつけてみたり、こすってみたり。はたまた、絨毯や小銭の上に石を落としてみたり。身の回りにある何気ないもので、各グループだけの音楽を奏でます。授業の終盤には、石よりもっと私たちに身近な例として、「ことば」を用いた演奏にチャレンジ。一部分だけを繰り返したり、とずーと延ばしたり、一瞬だけ間を置いたり。石で奏でた音楽の上にことばを重ね、新たな音楽が教室に響きました。

最後には講師のお二人からこんなメッセージが。(事務局の意訳です♫)

「ことばでも石でも、音楽を構成する要素ってたくさんあります。今回の授業を通して学んだ、周りの些細なものに目を向けるという姿勢が、音楽に限らず、これからの皆さんの活動につながれば嬉しいです」と額田さん。

「ことばや石から音楽を感じられる、そして、つくりあげられるのは、人間全員に与えられた特権。歌をうまく歌えなかったり、楽器が演奏できなくても、自分のうちに秘められたこの可能性に気づけたらいいなと思います。」と江崎さん。

生徒のみなさんから生み出された、まだ聴いたこのない音楽に触れることができた今回の授業。授業後、ふと手に持っているペンを叩いて、その音を聴いてみてしまいました。続く次回、「Beyond the Music」第3回授業は、『音楽と社会思想』をテーマに、トラックメーカー/シンガーのermhoiさんをゲスト講師にお招きして開催します。このクラスは単発での生徒募集を行なっているので、興味のある方はぜひご参加ください。授業日程や申し込み方法など、詳細情報は決まり次第、GAKUウェブサイト、SNSにて発信していきます。

 

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