GAKUのクラウドファンディングについて
GAKUは、オルタナティブな教育プロジェクトとして、公教育的アプローチや、教育ビジネス的アプローチではカバーしづらい領域のクリエイティブ教育に少しずつ取り組んでまいりました。取り組みがスタートして1年半。大変ありがたいことに、様々なジャンルのクリエイターの方々にご協力いただき、10代の人生が変わるその瞬間に立ち会える手ごたえを感じています。
デザイン思考、アート思考、そしてSTEAM教育など、社会においては、クリエイティビティの重要性が認識されています。コロナ禍も相まって、クリエイティブ x 教育のオンラインコンテンツも増え、10代に限らず、クリエイターにとっては、非常に恵まれた時代であるかもしれません。しかし、クリエイティビティの本質は、知識の獲得と実践だけでは届かないところにある気がしています。GAKUでは、10代のクリエイティビティを伸ばすためには、知識を教えることにとどまらず、一人ひとりの10代の個性に向き合い、発掘し、それを引き上げること、また、第一線で活躍するクリエイターが10代と実際に対面し双方に良い影響を与え合うことが大切であると感じています。クリエイターが10代の個性にひとつずつ向き合うこと。それはとても時間がかかる、非効率なことです。残念ながら、短期的な投資対効果が確実に見込まれるものでもありません。しかし、GAKUで実施する様々な授業で、20代、30代の若いクリエイターたちが真剣に10代に向き合う姿を目の当たりにする中で、「論理的」「効率的」の先にある「不確実性」にこそ、クリエイションの未来が、そして、大袈裟でなく、日本の未来が、かかっているのではないか、という思いを日々強くしています。
失われた30年、震災、コロナ…。不確実なものに投資できるほど、私たちの余力は残っていないかもしれません。投資が回収できない、すなわち失敗することを受け入れられないからです。でも、少しだけ立ち止まって考えてほしいのです。私たちが生きてきた中で、金銭的な価値とは関係なく、自分の幸せに大きく貢献したクリエイションに出会わなかったか。人生に大きな影響を与えた本や映画、失恋した時に聞いた音楽、ふいに懐かしくなる小さいころに食べたあの料理、ふらっと寄ってしまう居心地のよい空間。ついつい人生に例えてしまうRPGゲーム…。どんなものでも構いません。自分たちの豊かな人生が、名前の知らないだれかのクリエイティビティに支えられていないか、そのクリエイティビティの芽を絶やさないことこそが大切なのではないか、と。
図:クラウドファンディングを通じて「クリエイティブに支えられた人がクリエイティブを支える」
GAKUが、クラウドファンディングを通じて実現したい世界は以下の通りです。
・クリエイションによって人生を豊かにしてもらった人や企業(すなわち受益者)が、クラウドファンディングを通じて、モチベーションの高い若者たちを支援する。
・そのジャンルの第一線で活躍するクリエイターが先生となり、それらの若者たちに、本気で思いを伝えていく。
・そして、GAKUは、支援者の皆さまや、クリエイターの皆さまに、明るい未来の到来を期待させるに足る企画・授業案を作り、実現に努力する。
クラウドファンディングの成功事例の多くは、受注生産のような「未来に発生する確定した価値」に対価を支払うものや、一時的な救済やお祭り的なものです。しかし、GAKUのクラウドファンディングは、それらとは異なり、クリエイティブの芽を絶やさないための「寄付」に近いものとなります。だからこそ、我々は、クラウドファンディングでお金儲けをしようとは考えていません。必要経費以上のお金が集まった場合は、チケットを購入して若者に配布するなど、クリエイティブ業界にお戻ししたいと考えています。クリエイティブに支えられた人たちが、次の世代のクリエイティブを育て、支えることで、業界に良い循環とつながりを作り、クリエイティビティを次代を超えて継承していく、そのためにクラウドファンディングを活用する。GAKUの新しい挑戦を温かい目で見守っていただくとともに、もし可能であれば、ご支援いただけますと幸いです。
GAKUファウンダー 武田悠太