「越境文学サロン作品集お披露目会」を開催します

はじめに
文学のクラス「越境文学サロン」を受講した生徒が執筆した作品集のお披露目会を実施します。
本クラスでは、母語ではない言語で書かれた文学作品「越境文学」を扱い、文学そのものが持つ「越境性」や、私たちの中に宿る「越境性」に着目し、読書体験を深めながら創作に向かいました。
4月には、11名の生徒たちの作品を収めた『越境文学サロン作品集』が刊行されます。本イベントでは、書き手たち自身による「朗読会」に加え、参加者の皆さんとも「越境性」をテーマに言葉を交わす時間を持ちます。
会場となる「赤鳥庵」の大きな窓からは、目白庭園の景色が広がります。春の気配を感じながら、このひとときをみなさんと共有できましたら嬉しいです。
10代に限らず、どなたでもお越しいただけますので、ぜひご来場ください。
イベント概要
日程:2026年4月12日(日)
時間:13:00-17:00 ※途中入退場可能
会場:目白庭園「赤鳥庵」(東京都豊島区目白3-20-18)
定員:40名程度
参加費:無料
作品集:1,000円(税)※ご購入は任意であり、必須ではございません
スケジュール
13:00 オープン
14:00 受講生たちによる作品朗読会
16:00 公開対話「わたしたちが持ち寄った『越境性』」
話し手:「越境文学サロン」受講生一同
聞き手:アレクサンドラ・プリマック、松村ひなた(GAKU事務局)、参加者の皆さん
17:00 クローズ
作品タイトル一覧(筆者あいうえお順)
「あなたに触れる」 大貫桃加
「いまいっしょに包む。」大貫桃加
「女王のいる国」菊池祐輝
「知り鳥」木村夢
「約1.2mmの自己往復書簡」 佐藤楓夏
「衒学的文章」須賀愛佳里
「平易な版」須賀愛佳里
「うつつ」菅生愛鈴
「ピーク」西谷宗之
「はいせんす文学 2.2」西谷宗之
「〈コッカ〉と〈レキシ〉」服部天香
「言葉と私の関係」山本紬
「金平糖が降る街」山本紬
「『言葉』又は『生命』」れいんぼー
「共感する勇気」アレクサンドラ・プリマック(「越境文学サロン」メイン講師)
クラス「越境文学サロン」について
母語ではない言語で書かれた文学作品は、越境文学と呼ばれています。文学とは、人が生み出すもの。そうせざるを得なかった、或いは、そう選ばれた、越境というスタイルによって、その当然のことが一層迫ってくる感覚にもなります。国を越え、またがりながら言葉を紡ぐ。そこに、その人がいる、いた。そういうことが、文学足らしめているし、その生きられた経験というものが文学性を帯びているとも思います。
一方で、文学そのものが、越境性を宿しているとも言えます。なぜなら、国や時代を越えて、翻訳や流通などを経て読み継がれていくものだからです。そして、生活人、仕事人、趣味人、子ども、親、部下、上司…と、様々な立場を往来し、ときにその狭間に立つ、私達そのものも本来、越境性を帯びている存在です。
「越境文学サロン」は、そういった文学の越境性や私達自身の越境性に着目し、読書体験を深め広めていくための機会として実施されました。
全9回のクラスのメイン講師を務めたのは、ロシア人作家のアレクサンドラ・プリマックさん。日本で小説家になることを夢見る彼女が、文学と10代に込めた希望が、本クラスが立ち上がるきっかけとなりました。
約半年に渡る本クラスは、4つのタームに分かれ開講。ターム1では、アメリカ人越境文学作家 グレゴリー・ケズナジャット氏著の『鴨川ランナー』を題材とし、著者ご本人をゲストに迎えた授業の開講も叶いました。ターム2では、現代詩人 四元康祐氏を迎え、詩に自由な発想で触れるワークショップを実施。ターム3では、夏目漱石著の『道草』を通して越境性を考え、ターム4ではこの本に掲載された作品たちを執筆していきました。
クラスの詳細はこちら

目白庭園「赤鳥庵」

目白庭園は、自然に触れながら文化を育む場としての活用が期待され、平成2年11月に、伝統的な技と匠を結集して建設されました。「赤鳥庵」は、大正7年に鈴木三重吉によってこの地で創刊された子どものための文芸雑誌「赤い鳥」にちなんで名付けられた、木造瓦葺き平屋建ての数寄屋建築です。鈴木三重吉は、夏目漱石に師事し、主宰した「赤い鳥」や、推し進めた「綴方教育」等の活動により、日本の児童文学の父と評価されています。鈴木の最後の著作である「綴方読本」では、「単なる文学上の表現を練習するための学課ではない。私は綴方を、人そのものを作りととのえる『人間教育』の一分課として取り扱っているのである」と強調しています。「越境文学サロン」は、それらの歴史や活動にインスピレーションを受けて発足されました。