関係美食論 第3回 リサーチ

東京産による一汁三菜をつくるためのリサーチ
「関係美食論」の教室は、馬喰横山のミシュラン1つ星レストラン「nôl」。シェフ 丹野貴士さんをメイン講師に迎え、東京という都市で育まれた地元の食材や生産者との出会いを通じて、美食を関係から捉え、「一汁三菜定食」という料理に落とし込んでいきます。
今回の授業では、そのために東京の生産地のリサーチを行い、「関係美食」というテーマについても議論を重ねていきました。

知られざる東京の食材
前回の授業で出された課題は、フィールドワークに向け、「東京都内の生産地を5ヶ所以上リサーチしてくること」。今回の授業では、それぞれのリサーチ結果をクラスで共有し、実際にどちらに伺うか決定していきました。
皆、最終アウトプットである「一汁三菜定食」を想像し使いたい食材をイメージしながら生産地を選定してきてくれました。生産地の調べ方はそれぞれ。ネット検索のみならず、よく行くレストランや友人へのヒアリング、東京産の食材や加工食品が集まる「JA東京アグリパーク」を訪問し情報を得るなど、バラエティに富んだリサーチ方法がみられました。
発表された生産地は、野菜全般を扱う農園や、小松菜や米、きのこなど生産する食材を絞った農園、養鶏場やとうふ工房など、多様です。リサーチの過程で、江戸期から始まる東京の野菜文化を継承する「江戸東京野菜」に出会ったり、地方でしか生産されていないと思っていた大好きなお米が東京で作られていることに驚愕したり、それぞれの発表を通して、東京の生産地の幅の広さを学び合う機会になりました。

誰と、どのような、関係を結ぶことが良いのか?
さらに、フィールドワークをイメージし様々なディスカッションが巻き起こりました。生徒の皆さんの発表を聞き「農薬は絶対に使ってはいけないのか?人体や土壌に負荷がかからない使い方もあるのではないか」と問いかける丹野さん。フィールドワーク先を決定していく際にも、デザイン的にかっこいい生産地がクラスの皆から人気があることに気が付いた生徒の一人が「ウェブサイトが充実していたり、デザインがかっこいい生産地に惹かれがちだが、ウェブサイトを作成する余裕がない生産者も多いのではないか」と投げかけます。ディスカッションは盛り上がりながら、次々に、「生産者とどうやってコネクションを作るのか」など、テーマも広がっていきます。生産者や食材と「関係」を構築することに対する熱量が垣間見えました。
次回は、今回の授業で決定したフィールドワーク候補地に実際に足を運びます。
執筆・撮影:松村ひなた